学修の成果に係る評価
および
卒業の認定に
当たっての基準に
関すること

1. 学修の評価、試験等

(1)学修の評価

学修の評価(成績評価)は、シラバス(「【5】授業科目、授業の方法および内容並びに年間の授業の計画に関すること 2. 授業科目、授業の方法および内容について」に添付されているシラバス(授業概要))に記載されている評価方法(筆記試験、口述試験、レポート、発表、実技テスト、提出課題等)に基づいて科目担当教員が行います。

評価の基準

評価の基準および単位修得の判定の関係は、次のとおりです。

成績評価 評点 GP 判定
AA 90~100点 4 合格(単位認定)
A 80~89点 3
B 70~79点 2
C 60~69点 1
D 0~59点 0 不合格(単位不認定)
F対象外 - 0

F対象外は、試験の受験資格がない者や試験に欠席した者等で、担当教員が評価対象外と判断した場合を表します。

GPA制度について

藍野大学では、AA、A、B、C、D(不可)の5段階評価とし、GPA(Grade Point Average)制度を導入しています。GPAとは、履修登録した科目毎の5段階評価(AA、A、B、C、D)を、4から0までのポイント(GP:Grade Point)に置き換えて単位数を掛け、その総和を履修登録単位数の合計で割った平均点です。GPAには不合格科目の成績や途中で履修放棄した科目の成績も算定の対象となるので、選択(選択必修)科目については、学期途中で履修中止ができる制度を設けています。
GPA制度を導入することにより、学生それぞれが履修登録した科目を自主的、意欲的に学習することを促進します。また、各学期のGPAと累積(入学から現在まで)のGPAを通知しますので、学修レベルの進展度合い、修得科目全体の成績水準がわかり、教員の指導にも生かされます。さらにGPAによる履修登録科目の上限数の緩和、資格課程の履修条件等にも用いています。
今後は、成績優秀者に対する表彰や逆に学力不振者を見つけ効果的な指導を行うために、GPAを利用することも検討していますが、あくまでもみなさん一人ひとりが自分の学修の向上に向けて、GPAを利用してもらうことが大きな目的です。

GPA算出の計算方法は、以下のとおりです。

GPA算出の計算方法GPA算出の計算方法

GPA算出の計算例は、以下のとおりです。

本学では、小数点第二位(第三位四捨五入)までの表示

AAの成績を得た
科目の単位数
・・・ 12単位 × 4ポイント = 48 GPA=148÷62=2.39
Aの成績を得た
科目の単位数
・・・ 18単位 × 3ポイント = 54
Bの成績を得た
科目の単位数
・・・ 16単位 × 2ポイント = 32
Cの成績を得た
科目の単位数
・・・ 14単位 × 1ポイント = 14
Dの成績を得た
科目の単位数
・・・ 2単位 × 0ポイント =  0
計62単位 計148

(2) 試験について

試験は、筆記、口述、レポート、論文、実技等の方法により行われます。試験の種類は、定期試験、追試験、再試験があり、追試験はやむをえない理由で定期試験を欠席した者に対して行われる試験で、再試験は定期試験で不合格になった者等に対して、担当教員が必要と認めた場合に行われる試験です。
試験等により評価された成績については、前期分と後期分の年2回、修得単位通知書により、各学生宛に通知します。

2. 学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)

藍野大学

医療保健学部

医療保健学部では、教育目標に照らし、学部および学科で定めた以下のような能力・資質を身につけることを、卒業認定、および、学士の学位授与の方針とする。各学科で定めた卒業要件単位の修得をもって、系統的な履修にもとづく学位授与方針の達成とみなす。

  1. 〈基盤的知識・技能〉
    医療の基礎的知識や技能に加えて、人や文化、社会情勢、科学技術、環境等に関する基本的な教養を修得し、それらの素養を基盤に論理的に思考し、書き、話すことができる。
  2. 〈応用・実践能力〉
    専門的医療分野の知識、情報、データを活用する実践力を体得し、他者とのコミュニケーションを円滑に進められ、チーム医療の一員として職務を遂行できる。
  3. 〈倫理観、行動力〉
    医療人として必要な倫理観、対人愛、行動力を持ち、人間の多様性と共生についての理解ができている。
  4. 〈グローバル的思考力〉
    21世紀に生きる市民として、グローバルな視点で創造的に思考、判断するための基盤(情報分析力やコミュニケーション能力)が備わっている。
  5. 〈生涯にわたる専門性の練磨〉
    医療専門職として生涯学び続け、常に日進月歩の知識を取り入れ職務に反映しようとする心構えができている。
看護学科
  1. 〈基盤的知識・技能〉
    人、文化、社会、環境等の知識を基盤とする幅広い教養を身につけ、それをベースに人の健康や医療に関する専門知識や技能を習得している。
  2. 〈専門への知識・技能の応用力〉
    保健、医療、福祉等の場における看護ケアの実践力を修得し、チーム医療への参加意欲、コミュニケーション・スキル、数量的スキル、情報リテラシー等の汎用的技能への修練を積んでいる。
  3. 〈倫理観、行動力〉
    「人を愛する」心と、生命・人間尊重の倫理観と、地域の医療と福祉向上に貢献しようとする使命感と行動規範を有している。
  4. 〈グローバル的思考力〉
    医療救援活動や途上国への医療支援などを思いやり、グローバルな視点で思考し活動ができる素地を有している。
  5. 〈生涯にわたる専門性の練磨〉
    卒後も学び続け、創造的に思考し、判断し、看護師・保健師としての専門性をその最前線において維持しようとする態度が形成できている。
理学療法学科
  1. 〈基盤的知識・技能〉
    理学療法の基礎的知識や技能に加えて、語学、 国内外の文化や思想、社会の仕組みや情勢、科学技術や環境についての知識を習得している。それらの素養を基盤に思考し、書き、話し、問題解決へ向かうことができる。
  2. 〈専門知識・技能の応用・実践能力〉
    理学療法分野の知識、技能、情報、データを活用し、エビデンスに基づいた理学療法を実践できる能力を体得している。また、他者の話を聞き、その話を理解し、自分の考えを論理的に表出することにより他者とのコミュニケーションを図り、チーム医療の一員として他職種と協働した医療を提供できる。
  3. 〈専門における倫理観、行動力〉
    医療人として必要な倫理観を持ち、対象者やその家族と良好な関係を築き、相手の立場で医療を提供できる。また、地域社会で生活しているさまざまな人たちの生き方に共感し、寄り添うことができる。
  4. 〈グローバル的思考力〉
    医療をグローバルな視点からとらえ、実行する基盤が備わっている。また、それを実行するために必要な言語能力および情報収集・分析能力を有している。
  5. 〈生涯にわたる専門性の練磨〉
    社会から要請される理学療法士像に合わせて、常に医学や医療技術の発展に関心を持ち、新たな知識や技能を生涯学び続ける意志と能力を身につけている。
作業療法学科
  1. 〈基盤的知識・技能〉
    教養、語学、理系基礎の科目を基にした思考力、汎用的技能を身につけ、その基盤のうえに作業療法学諸領域の知識、技能を体系的に習得している。
  2. 〈専門知識・技能の応用・実践能力〉
    基礎医学および作業療法学の知識・技能を応用し、乳幼児から高齢者までのさまざまな対象者の健康状態(身体、心理、社会)を評価し、エビデンスに基づいた作業療法の実践ができる。
  3. 〈専門における倫理観、行動力〉
    作業療法士に求められる倫理観の理解とそれに基づく行動がとれ、対象者はもとより他の医療従事者、同僚、地域住民と協調した活動ができる。
  4. 〈グローバル的思考力〉
    保健・福祉・医療制度を見据えたグローバルな視点を常に持ち、創造的思考力・情報分析力やコミュニケーション能力を有している。
  5. 〈生涯にわたる専門性の練磨〉
    作業療法士として対象者の治療回復、社会参加を促進する使命に誇りを持ち、生涯学習し続け、作業療法の実践力向上に努める心構えができている。
臨床工学科
  1. 〈基盤的知識・技能〉
    臨床工学技士として活動するための基盤的知識(数学、物理学、情報科学、医学および工学の基礎知識・技能)を有し、その基盤的知識を基に臨床工学分野の専門的知識・技能を習得している。
  2. 〈専門知識・技能の応用・実践能力、行動力〉
    臨床工学分野の知識・技能を実地に活用できる応用・実践力、および医師や看護師などと円滑にチーム医療が行える協調性とコミュニケーション力を備えている。
  3. 〈専門における倫理観〉
    高度な医療機器を取り扱う医療人として、倫理観、責任感、使命感を実践する意識が形成されている。
  4. 〈グローバル的思考力〉
    海外の機器情報にアクセスし、人的交流にも取り組めるグローバルマインドが準備されている。
  5. 〈生涯にわたる専門性の練磨〉
    臨床工学技士として、医学、医療機器の進歩に対し絶えず研鑽を怠らない姿勢・心構えができている。

藍野大学大学院

看護学研究科

2年以上在学し、修了に必要な単位を修得し、かつ修士論文を提出して審査に合格し、加えて最終試験に合格した者に修士(看護学)の学位を授与する。修士論文の審査および最終試験において求められる能力、資質は次のとおりである。

  1. 高い倫理観と豊かな人間性をもって、サービスを受ける者の視点に立った実践ができる。
  2. 最新の知見・技術の獲得を怠らず、専門性を高めることに努め、科学的根拠に基づいた実践ができる。
  3. 看護専門職者として専門的役割を示すロールモデルとなって、指導力を発揮して教育的役割を果たすことができる。
  4. 保健・医療・福祉の様々な領域で看護組織及び看護ケアをマネジメントし、関連他職種と連携し組織化することができる。
  5. 看護の科学的根拠を探求し、新たなケア技術やシステムの開発を試みることができる。

3. 学修成果の可視化の取り組み

概略

2018年前期から藍野大学医療保健学部で実施している「学習行動調査」を2019年度も同様に行い、「成長的マインドセット」や「メタ認知」といった、学習の下支えとなる資質・能力を得点化し、学年間比較や経時的な変化を検討しました。また、「授業外学習時間」にも注目しました。さらに、毎年実施している「卒業者調査」において、藍野大学のディプロマ・ポリシーに関係する学習成果に対する到達度合いも検討しました。
その結果、藍野大学の学生には、藍野大学が目標としている学習成果を適切な形で評価し、それをフィードバックしたうえで、自分自身でしっかりと省察する機会を設ける必要性が示唆されました。

学習成果の可視化

「学習成果」は、「大学での学習の結果、得た知識、技術、態度などの成果」がイメージしやすいと思います。そしてその「可視化」とは、それらを「何らかの評価手法を用いてその修得度合いを数値化・言語化・図表化などして、見える化すること」と捉えるとよいと思います。
また、大学が公表しているディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)は、学生に修得を期待する資質・能力などを示したものあり、「目標としての学習成果」と理解することができます。つまり、学習成果の可視化は、「ディプロマ・ポリシーで求める目標としての学習成果」に関して、学生の修得度合いを明らかにしていく必要があるといえます。また、それらの修得に至る学習プロセスや学習経験を明らかにすることも、その後の教育の議論に資する重要な情報となると考えられます。

  • 「学習成果」は他にも多様な意味を内包する多義的な概念であり、その評価手法も多様です。その整理の詳細は松下(2017)、概観するためには京都大学高等教育研究開発推進センターのウェブサイトがわかりやすいです。
  • 松下佳代(2017)「学習成果とその可視化(特集高等教育研究のニューフロンティア)」『高等教育研究』20, 93-112.
  • 京都大学高等教育研究開発推進センターウェブサイト

    http://www.highedu.kyoto-u.ac.jp/

どのような評価手法を用いて「学習成果の可視化」を行うか?

ここで注意しなければならないことは、目標としての学習成果に挙げられている資質・能力には、専門性が高く、複合的なものである場合が多いということです。そのような資質・能力の修得度合いは、専門性をもった教員(エキスパート)が、学生が何かの課題に取り組んだパフォーマンスから、当該学生のそれらを評価(測定)するのが妥当です。例えば、臨床推論能力(医療現場において妥当な判断を下したり治療法を決定したりする能力)などは、学生に「あなたの臨床推論能力はどの程度ですか?」とアンケート上で質問したとしても、まだ初学者(ノービス)である学生が自分の修得度合いを適切に評価することは難しいと考えられます。
しかし、逆に教員からは評価しづらく、むしろ学生自身に回答してもらったほうが妥当だと考えられるものもあると考えます。それは、学習成果の修得に至る学習プロセスや学習経験、学生の内面に関わるような心理的な変数です。例えば、自分の才能や能力を伸ばすことができると思っているかどうか、どのような動機づけをもって、どのような学習方略で学習に取り組んでいるかどうかなどは、学生自身に回答してもらうことが適していると考えられます。また、学生自身がどのくらい達成したと思っているかという実感を捉えたい場合も、やはり学生自身に回答してもらったほうが妥当と考えます。前述のように、基本的には教員(エキスパート)による評価によって、学生の達成度を評価するべきであり、学生の認識が教員の評価と合致しているかどうかを慎重に検討する必要がありますが、そのような学生の成長実感から見えてくることもあると思います。

前置きが長くなりましたが、今回の「学習行動調査」「卒業者調査」は、学生自身に回答してもらったほうが適していると考えられ、特に学習の下支えとなると教育関係の研究で明らかになっているものを評価に主眼を置きました。アンケート形式の調査によって回答を求め、所定の手続きを経て得点化しました。それらに関して学年間の比較を行い、そこから明らかになった傾向や、課題だと示唆されることの報告を行います。

(1)学習行動調査

注目した資質・能力

今回報告するものは、昨年度同様、学生の「成長的マインドセット」「メタ認知」の学年間比較の結果です。成長的マインドセットは、簡単に言えば、「努力次第で自分の能力を伸ばすことができる」と思っているかどうか、つまり成長的な能力観が強いかどうかということです。対になる能力観が固定的マインドセットであり、「能力は生まれながらにして決まっており変えることはできない」というものです。どちらのマインドセットが優勢になるかで、その人のその後の成果や、「主体的に学びに向かう力」は異なってくるといわれています。
一方、メタ認知は、こちらも簡単にいえば、「学習の際、自分の目標達成のために学習計画をたて、実行し、うまくいっているかどうかを確認し、必要があれば計画を修正する」といったことができるかどうかということです。これができる人は、新たな学習を自分で進めることができ、成長するスピードも速いといわれています。

参考
キャロル・S・ドウエック著・今西康子訳(2016)『マインドセット-「やればできる!」の研究』草思社.
那須正裕(2017)『「資質・能力」と学びのメカニズム』,東洋館出版社.

これらは昨今、これからの未来を生きるための主体的な学習にとって必要な資質・能力として、非常に注目されているものです(例えば、カリキュラム・リデザイン・センター(CCR)の4次元の教育)。藍野大学のカリキュラムにおいて、これらの下支えがどのようであるかによって、学生がどのように学び、どのように成長するかもかわることが考えられます。「学習行動調査」では他にも学習プロセスや学習経験など、多様なデータを収集していますが、今回特にこの重要な資質・能力に注目したいと思います。

参考
Fadel, C., Bialik, M., & Trilling, B. (2015). Four-dimensional education: The competencies learners need to succeed. Boston, MA: The Center for Curriculum Redesign.
調査デザイン

2019年7月上旬から8月上旬にかけて、医療保健学部生全体を対象として、上述のような資質・能力などを捉えるためのアンケート調査を実施しました。回答・収集・分析等が簡便になるため、携帯電話で回答可能なアンケートを作成しました。教学IR室が書面及び口頭で学生に調査内容・目的・倫理的配慮・回答手順などの説明を行いました。学生の縦断的な(1年次から2年次にかけて本人がどう変わったのかなどの)変容を追うことができ、かつ今後の指導に活かすことができるように、学籍番号を記入してもらいました。学部全体で922名の回答を得ました。なお、昨年度も同様に調査を行い、1028名の回答を得ていますが、縦断的な分析においては昨年度の4年生はすでに卒業しているため、分析から除外しています。
成長的マインドセットは3項目(例えば「自分の才能は、生まれながらに決まったものではなく、伸ばすことができる」など)、メタ認知は9項目(例えば「勉強する前に、これから何をどうやって勉強するかを考える」など)の質問で構成されています。これらの質問に対して、学生が「全く当てはまらない(1点)~とても当てはまる(6点)」で当てはまるもの一つ選び、回答に応じて数値化します。その複数項目の平均値を算出し、当該学生の「成長的マインドセット得点」「メタ認知得点」としました。

結果

「成長的マインドセット得点」の学部全体の平均値は3.66(昨年度は3.40)、「メタ認知得点」は3.93(昨年度3.74)でした。どちらも昨年度と比較し、微増していることがわかります。そして、今年度と昨年度で、同じ学生がどのように変化したのかを比較したものが以下の図です。この結果から、藍野大学の学生は、一般的な傾向として、「成長的マインドセット」「メタ認知」ともに上昇する傾向にある、といえます。昨年度はこのような経時的な変化は追えませんでしたので、あくまで学年集団の違いを見るしかありませんでしたが、このような縦断的なデータによって、同じ学生がどのように変化しているのかを追っていくことが可能になります。
統計学上、昨年度から今年度にかけて意味のある上昇があった、といえる結果ですが、「どのくらい上がったのか」を見ると、そこまで大きな差異はないと評価できます(偏差値でいえば、2程度の上昇が見られました)。また、学年別・学科別に見れば、特定の学科は特に変化が見出すことができなかったり、変化を見出だせた学科は特に3年生→4年生にかけて伸びていたりする、ということなどが明らかになっています。「成長的マインドセット」「メタ認知」はともに上昇することが好ましいものですので、藍野大学生として、入学時点からどのように、どこまで変容して欲しいのかを今後議論していく予定です。また、好ましい傾向を示す学科に対して追加リサーチを行い、これらの資質・能力に寄与する教育的支援等を明らかにし、全学的に共有するなどの取り組みが今後考えられます。
なお、一般的には、これらには丹念なフィードバックが効果的であるといわれています。ただし、フィードバックする情報が、藍野大学の「目標としての学習成果」と関係なかったり、適切な形で評価できていなかったりしたら、あまり意味はないと考えます。今後、「目標としての学習成果」を妥当に評価・測定し、それを学生にフィードバックしたうえで、自分自身でしっかりと省察する機会を設ける仕組みの構築の必要性が示唆されます。このように、実質的な学生の学びと成長のために、目的に合った調査を行い、今後の藍野大学の教育の議論に活かしていきたいと思います。

  • 図1成長的マインドセットの経年比較
    成長的マインドセットの経年比較
  • 図2メタ認知の経年比較
    メタ認知の経年比較
授業外学習時間に関する検討

「学習行動調査」において、学生が履修している科目に関係する学習を、1週間あたりどの程度行っているか(以後、授業外学習時間)を測定しました。その結果を報告いたします。以下に本学学生の授業外学習時間のヒストグラムと基礎統計量(2018年度と2019年度)を示します。平均は4.27時間ですが、図を見てもわかるように、分布が非常に歪んでおり、平均値のみの解釈には注意する必要があります。25パーセンタイルは1時間、中央値は3時間、75パーセンタイルは5時間です。つまり、本学学生の半数は1時間~5時間程度の学習を行っていることがわかります。また、2018年度と2019年度を比較しても、特に大きな違いは見られませんでした。

  • 図118年度 授業外学習時間
    18年度 授業外学習時間
  • 図219年度 授業外学習時間
    19年度 授業外学習時間

日本の大学生約5000名を対象にしたベネッセ教育総合研究所の調査(2016年)によれば、大学生の授業外学習時間は平均2.7時間で、1時間未満が43.7%(うち0時間が19.4%)です。それに対し、本学学生の授業外学習時間の平均は4.11時間で、1時間未満が13.7%(うち0時間が11.3%)です。本学学生は、授業外学習を全くしていない~1時間に満たない学生が1割程度いるものの、全国的には4割程度ですので、本学学生のほとんどが、授業に関係する学習を1時間以上していることがわかります。

れらの結果を、日本の大学生約5000名を対象にしたベネッセ教育総合研究所の調査(2016年)を参考にして比較すると、藍野大学生は学習時間が多いことが伺えます。ただし、これは学習の量的な側面であり、その質は明らかにできていません。授業外で、量と質が伴った学習ができる主体的な学習者を育成するための教育の議論に寄与する情報を、今後収集していく必要があります。また、0時間の(つまり、まったくしていない)学生も、全国的な傾向よりは少ないものの、1割程度いることから、そのような学生への指導をどのようにしていくのかが課題になります。

参考
ベネッセ教育総合研究所 第3回 大学生の学習・生活実態調査報告書 ダイジェスト版 【2016年】

https://berd.benesse.jp/up_images/research/3_daigaku-gakushu-seikatsu_03.pdf, 2018/09/23閲覧

(2)卒業者調査

注目した資質・能力

卒業者調査は、毎年2~3月ごろ実施しているもので、「習得した資質・能力」や「大学教育の満足度」に関する項目を当該年度卒業者に回答してもらい、藍野大学の教育の魅力や、ディプロマ・ポリシーの達成度を学生の認識を通して検証したりすることを目的にしています。
ここでは特に、藍野大学のディプロマ・ポリシー、すなわちプログラムレベルの学習成果に関連する項目を中心に、その結果を報告していきます。その項目とは、「習得した資質・能力」にかかわるもののうち、「基盤知識」「科学知識」「論理的な文章」「グローバルな視点」「チーム医療の重要性」「人文学の知識」「幅広く医療や保健のことを学び続けようという気持ち」です。それぞれ、習得したと思うかどうかを、当てはまらない(1点)〜当てはまる(5点)の5件法で回答を求めています。それぞれ、2016年度から同様の調査を実施しておりますので、卒業年度における差異もみていきます。

結果
①基盤知識

①基盤知識

年度=16年度=17年度=18
学科=ME2.9252.8683.400*
学科=NS3.3803.3864.013**
学科=OT3.4523.6253.300
学科=PT3.5753.5054.071**
②科学知識

②科学知識

年度=16年度=17年度=18
学科=ME3.2753.6584.171**
学科=NS3.0873.1483.352*
学科=OT3.1612.9503.167
学科=PT3.0372.9783.393*
③論理的な文章

③論理的な文章

年度=16年度=17年度=18
学科=ME3.1252.8423.457*
学科=NS3.3523.1023.714**
学科=OT3.3873.4253.267
学科=PT3.5623.4843.929**
④グローバルな視点

④グローバルな視点

年度=16年度=17年度=18
学科=ME2.8252.5532.714*
学科=NS2.9242.8743.299**
学科=OT3.2262.9752.867
学科=PT2.9752.6703.238**
⑤チーム医療の重要性

⑤チーム医療の重要性

年度=16年度=17年度=18
学科=ME3.6253.3684.200**
学科=NS4.0004.0244.429**
学科=OT3.9353.9253.867
学科=PT4.1253.9684.452**
⑥人文学の知識

⑥人文学の知識

年度=16年度=17年度=18
学科=ME1.9752.1582.429
学科=NS2.7282.6703.403**
学科=OT2.8003.2002.467*
学科=PT2.5252.2472.881**
⑦幅広く医療や保健のことを学び続けようという気持ち

⑦幅広く医療や保健のことを学び続けようという気持ち

年度=16年度=17年度=18
学科=ME3.6003.6843.886
学科=NS3.9463.6254.143**
学科=OT3.7743.8753.567
学科=PT4.0124.0114.214

以上のように、それぞれの学科の特徴が項目ごとに出ていると考えられます。卒業年度間で多少増減が見られますが、これがカリキュラムや教育支援、学習内容による効果なのか、集団的な特徴を反映しているのかは分離することが困難ですので、追加の調査が必要だと考えます。今後、新カリキュラムを修了した学生がどのような傾向を示すのかを検討し、比較していくことで、当該カリキュラムの特徴も明らかになると考えられます。
また、「グローバルな視点」「人文学の知識」は得点が全般的に低いことがわかりました。現行の藍野大学の特徴を反映しているものと考えられます。現在、藍野大学では3つのポリシーの改訂を進めており、ディプロマ・ポリシーとカリキュラム・ポリシーの一貫性の担保や、それを意識したカリキュラムの改革も予定しています。このような学生の自己認識には、やはり藍野大学が目標としている学習成果を適切な形で評価し、それをフィードバックしたうえで、自分自身でしっかりと省察する機会を設けることで、その様相がかなり変わってくることが予想されます。カリキュラムの改革と、フィードバックの取り組みによって、このような学習成果の自己認識にどのような影響を与えるのか、継続的な検討をしていきたいと思います。

4. 教育課程、卒業要件単位および取得可能な学位・免許等

(1) 教育課程、卒業要件単位

教育課程、卒業要件単位については、次の添付ファイルを参照ください。

(2) 取得可能な学位・免許等

本学では、卒業に必要な単位を修得することで、以下の資格および認定が得られます。
また、卒業と同時に、看護学科では学士(看護学)、理学療法学科では学士(理学療法学)、作業療法学科では学士(作業療法学)、臨床工学科では学士(臨床工学)、看護学研究科では修士(看護学)の学位が授与されます。

国家試験受験資格
学科 資格
看護学科 看護師国家試験受験資格
保健師国家試験受験資格(平成24年度入学生より選択制)
理学療法学科 理学療法士国家試験受験資格
作業療法学科 作業療法士国家試験受験資格
臨床工学科 臨床工学技士国家試験受験資格

国家試験の合格率、就職先等は、【4】の項目をご覧ください。

認定免許(保健師国家試験合格後、各自で申請)
学科 認定
看護学科 養護教諭二種免許 ※1
第一種衛生管理者免許

1 ただし、在学中に指定科目の単位を修得する必要があります。

関連資格

別途、試験に合格することにより取得できる関連資格には次のようなものがあります。

学科 認定
理学療法学科 NSCA認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)※1
初級障がい者スポーツ指導員
福祉住環境コーディネーター検定®2級 ※2
作業療法学科 初級障がい者スポーツ指導員
福祉住環境コーディネーター検定®3級・2級 ※2
メンタルヘルス・マネジメント検定®Ⅲ種・Ⅱ種 ※3
臨床工学科 第2種・第1種ME技術者
医療情報技師
基本情報技術者
医療機器情報コミュニケータ(MDIC)
  • 1本学が認定校となっています。
  • 2 福祉住環境コーディネーター検定®は、東京商工会議所の商標登録です。
  • 3 メンタルヘルス・マネジメント検定®は、大阪商工会議所の商標登録です。
教職課程

藍野大学では、看護学科に教職課程を設けています。(原則として希望選択制。なお、平成24年度入学生より保健師と教職免許との同時取得はできません。)
取得可能免許状は、高等学校教諭一種(看護)と養護教諭一種です。
(養護教諭二種免許状は、在学中に指定科目の単位を修得したうえで保健師国家資格を所有すれば、申請により取得できます)
以上の免許状取得を希望する方は、入学後のガイダンスで履修方法等について説明します。

学科 免許教科 免許状の種類
看護学科 看護 高等学校教諭一種
- 養護教諭一種