学修の成果に係る評価
および
卒業の認定に
当たっての基準に
関すること

1. 学修の評価、試験等

(1)学修の評価

学修の評価(成績評価)は、シラバス(「【5】授業科目、授業の方法および内容並びに年間の授業の計画に関すること 2. 授業科目、授業の方法および内容について」に添付されているシラバス(授業概要))に記載されている評価方法(筆記試験、口述試験、レポート、発表、実技テスト、提出課題等)に基づいて科目担当教員が総合的に行います。

評価の基準

評価の基準および単位修得の判定の関係は、次のとおりです。

成績評価 評点 GP 判定
AA 90~100点 4 合格(単位認定)
A 80~89点 3
B 70~79点 2
C 60~69点 1
D 0~59点 0 不合格(単位不認定)
F対象外 - 0

F対象外は、試験の受験資格がない者や試験に欠席した者等で、担当教員が評価対象外と判断した場合を表します。

GPA制度について

藍野大学では、AA、A、B、C、D(不可)の5段階評価とし、GPA(Grade Point Average)制度を導入しています。GPAとは、履修登録した科目毎の5段階評価(AA、A、B、C、D)を、4から0までのポイント(GP:Grade Point)に置き換えて単位数を掛け、その総和を履修登録単位数の合計で割った平均点です。GPAには不合格科目の成績や途中で履修放棄した科目の成績も算定の対象となるので、選択(選択必修)科目については、学期途中で履修中止ができる制度を設けています。
GPA制度を導入することにより、学生それぞれが履修登録した科目を自主的、意欲的に学習することを促進します。また、各学期のGPAと累積(入学から現在まで)のGPAを通知しますので、学修レベルの進展度合い、修得科目全体の成績水準がわかり、教員の指導にも生かされます。さらにGPAによる履修登録科目の上限数の緩和、資格課程の履修条件等にも用いています。
今後は、成績優秀者に対する表彰や逆に学力不振者を見つけ効果的な指導を行うために、GPAを利用することも検討していますが、あくまでもみなさん一人ひとりが自分の学修の向上に向けて、GPAを利用してもらうことが大きな目的です。

GPA算出の計算方法は、以下のとおりです。

GPA算出の計算方法GPA算出の計算方法

GPA算出の計算例は、以下のとおりです。

本学では、小数点第二位(第三位四捨五入)までの表示

AAの成績を得た
科目の単位数
・・・ 12単位 × 4ポイント = 48 GPA=148÷62=2.39
Aの成績を得た
科目の単位数
・・・ 18単位 × 3ポイント = 54
Bの成績を得た
科目の単位数
・・・ 16単位 × 2ポイント = 32
Cの成績を得た
科目の単位数
・・・ 14単位 × 1ポイント = 14
Dの成績を得た
科目の単位数
・・・ 2単位 × 0ポイント =  0
計62単位 計148

(2) 試験について

試験は、筆記、口述、レポート、論文、実技等の方法により行われます。試験の種類は、定期試験、追試験、再試験があり、追試験はやむをえない理由で定期試験を欠席した者に対して行われる試験で、再試験は定期試験で不合格になった者等に対して、担当教員が必要と認めた場合に行われる試験です。
試験等により評価された成績については、前期分と後期分の年2回、修得単位通知書により、各学生宛に通知します。

2. 学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)

藍野大学

医療保健学部

医療保健学部では、教育目標に照らし、学部および学科で定めた以下のような能力・資質を身につけることを、卒業認定、および、学士の学位授与の方針とする。各学科で定めた卒業要件単位の修得をもって、系統的な履修にもとづく学位授与方針の達成とみなす。

  1. 〈知識〉
    医療の基礎的知識に加えて、人や文化、社会情勢、科学技術、環境等に関する基本的な教養を習得している。
  2. 〈技能〉
    知識、技術、情報を活用、発信する実践力、コミュニケーション力を体得し、専門職者として科学的根拠に基づいた対応ができる。
  3. 〈態度・姿勢〉
    医療人および社会人として必要な倫理観、行動力を備え、生涯学び続けることで日進月歩の医療知識を職務に反映しようとする心構えができている。
  4. 〈協創〉
    医療に関わる全ての人と、調和的、創造的な問題解決が遂行できる。
看護学科
  1. 〈知識〉
    • 医療人の基盤となる保健・医療・福祉に関する幅広い知識を備え、看護学を理解するために必須となる医学的知識ならびに看護実践に求められる看護の専門知識を習得している。
    • 国内外の文化や思想、社会の仕組みや社会情勢について学び、良き市民として生きるための豊かな教養として幅広い知識を習得している。
  2. 〈技能〉
    • 看護実践能力を養うために必要となる論理的・批判的思考を基盤とした臨床的な推論、ならびにコミュニケーション能力やリスク管理能力を包括する看護の専門技能を習得している。
    • 信頼できる情報源から必要な情報を収集・分析・評価し、適切な解釈のもとで論理的・批判的思考を基盤としたアカデミックな議論ができる。
  3. 〈態度・姿勢〉
    • 責任のある言動がとれるとともに、多様な個人の価値観に対応できる倫理観を持っている。
    • 新しい医療の発展に関心を持ち、研究・探求しようとする態度と、科学的根拠に基づいた思考をする姿勢を身につけ、新たな知識や技能を生涯学び続ける意志を持っている。
  4. 〈協創〉
    • 多職種を理解することで自身の専門性を知り、チームで協働的な問題解決を進める際にメンバー間で生じる葛藤を乗り越え、問題に対する解決策を考えることができる。
    • 看護分野の発展に寄与するために、自身の問題意識からアカデミックな探求ができる。
理学療法学科
  1. 〈知識〉
    • 理学療法を実践するための専門的知識を習得している。
    • 新しい理学療法学を創造するための基盤となる幅広い科学的知識、人や文化、社会情勢などの知識を習得している。
  2. 〈技能〉
    • 理学療法を実践するための専門的技能を習得している。
    • アカデミックなテーマを議論するための情報収集、分析、解釈ができ、科学的根拠に基づいて論理的に考える能力を習得している。また、職業生活、社会生活などで必要なコミュニケーション・情報リテラシー・論理的思考力、問題解決力を習得している。
  3. 〈態度・姿勢〉
    • 理学療法士および社会人として必要な倫理観、行動力を備え、新たな知識や技能への関心と主体的に生涯学び続ける意思を持つことができる。
    • 科学的根拠に基づいて研究・探究しようとする態度を習得している。また、自律した学習者として自身の学習を振り返りながら、あらゆる問題に対して探究する態度を習得している。
  4. 〈協創〉
    • 多職種を理解することで自身の専門性を知り、チームで協働的な問題解決を進める際にメンバー間で生じる葛藤を乗り越え、問題に対する解決策を考えることができる。
    • 理学療法分野の発展に寄与するために、自身の問題意識からアカデミックな探究ができる。
作業療法学科
  1. 〈知識〉
    • 作業療法を理解・実践するため、専門的知識と医療・保健・福祉に関する幅広い知識を習得する。
    • 多様な文化・価値観を理解するため、幅広く豊かな教養を習得する。
  2. 〈技能〉
    • 対象者への作業療法に必要な情報を選択・収集するとともに、適切な評価・再評価を行うことができ、その結果をもとに理論的な思考をもってアセスメントを組み立てて安全に治療を実践できる。
    • 望ましい人間関係を構築するためのコミュニケーション能力を有し、科学的モデルを基盤とした論理的主張ができる。
  3. 〈態度・姿勢〉
    • 対象者の立場や価値観を尊重した判断を行うとともに、知識や技術に関して最新の知識・技術を保ち、学術的研鑽および人格の陶冶を目指しながら作業療法に貢献ができる。
    • 科学と周辺領域の知識を更新し、常に最新の科学的根拠を使った論理的な視点から物事に対処することができる。
  4. 〈協創〉
    • 多職種を理解することで自身の専門性を知り、チームで協働的な問題解決を進める際にメンバー間で生じる葛藤を乗り越え、問題に対する解決策を考えることができる。
    • 作業療法分野の発展に寄与するために、自身の問題意識からアカデミックな探求ができる。
臨床工学科
  1. 〈知識〉
    • 医療人の基盤となる保健・医療・福祉・工学に関する幅広い知識を備え、臨床工学を理解するために必須となる医工学・情報学の知識と医療機器の操作・管理のための専門知識を習得している。
    • 国内外の文化や思想、社会の仕組みや社会情勢について学び、良き市民として生きるための豊かな教養として幅広い知識を習得している。
  2. 〈技能〉
    • 臨床工学技士業務を実践するための専門技能、医療事故を未然に防ぐためのリスク管理能力、患者や医療人と良好な関係を築くためのコミュニケーション能力を習得している。
    • 情報のリテラシーを身につけ、論理的思考と批判的思考を基盤にアカデミックなテーマについても、適切な情報収集により議論・実践でき、その成果をまとめて情報発信できる。
  3. 〈態度・姿勢〉
    • 医療の発展に対して常に関心を抱き、探究心を持って問題解決に挑む姿勢を持っている。
    • 現代の多様な社会における様々な価値観ならびに倫理観を身につけ、科学的な根拠に基づいて思考し責任のある言動がとれる。
  4. 〈協創〉
    • 多職種を理解することで自身の専門性を知り、チームで協働的な問題解決を進める際にメンバー間で生じる葛藤を乗り越え、問題に対する解決策を考えることができる。
    • 臨床工学分野の発展に寄与するために、自身の問題意識からアカデミックな探求ができる。

藍野大学大学院

看護学研究科

看護学研究科では、教育目標に照らし、以下のような能カ・資質を身につけることを、修業認定、及び修士の学位授与方針とする。2年以上在学し、修了に必要な単位を修得し、かつ修士論文を提出して審査に合格し、加えて最終試験に合格した者に修士(看護学)の学位を授与する。

  1. 高い倫理観に基づいた深い学識と識見及び豊かな人間性をもち、サービスを受ける者の視点に立った実践ができる。
  2. 学際的な視点とリサーチマインドをもって、実践の場での課題を発見し、保健医療福祉に関して深めた知識から、課題解決のための新たなケア技術やシステムの開発を試みることができる。
  3. 看護専門職者として専門的役割を示すロールモデルとなって、指導力を発揮して教育的役割を果たすことができる。
  4. 保健・医療・福祉のさまざまな領域で看護組織及び看護ケアをマネジメントし、関連多職種と連携し協働することができる。

3. 学修成果の可視化の取り組み

概略

2018年前期から藍野大学医療保健学部で実施している「学習行動調査」を今年度も同様に行い、「成長的マインドセット」や「メタ認知」といった、学習の下支えとなる資質・能力を得点化し、学年間比較や経時的な変化を検討しました。また、「授業外学習時間」にも注目しました。さらに、毎年実施している「卒業者調査」において、藍野大学のディプロマ・ポリシーに関係する学習成果に対する到達度合いも検討しました。
その結果、藍野大学の学生には、藍野大学が目標としている学習成果を適切な形で評価し、それをフィードバックしたうえで、自分自身でしっかりと省察する機会を設ける必要性が示唆されました。

学習成果の可視化

「学習成果」は、「大学での学習の結果、得た知識、技術、態度などの成果」がイメージしやすいと思います。そしてその「可視化」とは、それらを「何らかの評価手法を用いてその修得度合いを数値化・言語化・図表化などして、見える化すること」と捉えるとよいと思います。
また、大学が公表しているディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)は、学生に修得を期待する資質・能力などを示したものあり、「目標としての学習成果」と理解することができます。つまり、学習成果の可視化は、「ディプロマ・ポリシーで求める目標としての学習成果」に関して、学生の修得度合いを明らかにしていく必要があるといえます。また、それらの修得に至る学習プロセスや学習経験を明らかにすることも、その後の教育の議論に資する重要な情報となると考えられます。

  • 「学習成果」は他にも多様な意味を内包する多義的な概念であり、その評価手法も多様です。その整理の詳細は松下(2017)、概観するためには京都大学高等教育研究開発推進センターのウェブサイトがわかりやすいです。
  • 松下佳代(2017)「学習成果とその可視化(特集高等教育研究のニューフロンティア)」『高等教育研究』20, 93-112.

どのような評価手法を用いて「学習成果の可視化」を行うか?

ここで注意しなければならないことは、目標としての学習成果に挙げられている資質・能力には、専門性が高く、複合的なものである場合が多いということです。そのような資質・能力の修得度合いは、専門性をもった教員(エキスパート)が、学生が何かの課題に取り組んだパフォーマンスから、当該学生のそれらを評価(測定)するのが妥当です。例えば、臨床推論能力(医療現場において妥当な判断を下したり治療法を決定したりする能力)などは、学生に「あなたの臨床推論能力はどの程度ですか?」とアンケート上で質問したとしても、まだ初学者(ノービス)である学生が自分の修得度合いを適切に評価することは難しいと考えられます。
しかし、逆に教員からは評価しづらく、むしろ学生自身に回答してもらったほうが妥当だと考えられるものもあると考えます。それは、学習成果の修得に至る学習プロセスや学習経験、学生の内面に関わるような心理的な変数です。例えば、自分の才能や能力を伸ばすことができると思っているかどうか、どのような動機づけをもって、どのような学習方略で学習に取り組んでいるかどうかなどは、学生自身に回答してもらうことが適していると考えられます。また、学生自身がどのくらい達成したと思っているかという実感を捉えたい場合も、やはり学生自身に回答してもらったほうが妥当と考えます。前述のように、基本的には教員(エキスパート)による評価によって、学生の達成度を評価するべきであり、学生の認識が教員の評価と合致しているかどうかを慎重に検討する必要がありますが、そのような学生の成長実感から見えてくることもあると思います。

前置きが長くなりましたが、今回の「学習行動調査」「卒業者調査」は、学生自身に回答してもらったほうが適していると考えられ、特に学習の下支えとなると教育関係の研究で明らかになっているものを評価に主眼を置きました。アンケート形式の調査によって回答を求め、所定の手続きを経て得点化しました。それらに関して学年間の比較を行い、そこから明らかになった傾向や、課題だと示唆されることの報告を行います。

(1)学習行動調査報告

在学生を対象に、学習への向き合い方などを調べ、その後の学習支援や、大学の教育効果 の検討に活かすことを目的に実施しています。

(2)卒業時調査報告

卒業時の学生を対象に、今後の⼤学の教育内容や指導⽅法等の開発・改善に活かすことを目的に実施しています。

(3)卒業後調査報告

本学を卒業(修了)後1年または3年を経過した方および本学の卒業生(修了生)の就職先施設の方を対象にを対象に、今後の大学の教育内容や指導方法等の開発・改善に活かすことを目的に実施しています。

4. 教育課程、卒業要件単位および取得可能な学位・免許等

(1) 教育課程、卒業要件単位

教育課程、卒業要件単位については、次の添付ファイルを参照ください。

(2) 取得可能な学位・免許等

本学では、卒業に必要な単位を修得することで、以下の資格および認定が得られます。
また、卒業と同時に、看護学科では学士(看護学)、理学療法学科では学士(理学療法学)、作業療法学科では学士(作業療法学)、臨床工学科では学士(臨床工学)、看護学研究科では修士(看護学)の学位が授与されます。

国家試験受験資格
学科 資格
看護学科 看護師国家試験受験資格
保健師国家試験受験資格(平成24年度入学生より選択制)
理学療法学科 理学療法士国家試験受験資格
作業療法学科 作業療法士国家試験受験資格
臨床工学科 臨床工学技士国家試験受験資格

国家試験の合格率、就職先等は、【4】の項目をご覧ください。

認定免許(保健師国家試験合格後、各自で申請)
学科 認定
看護学科 養護教諭二種免許 ※1
第一種衛生管理者免許

1 ただし、在学中に指定科目の単位を修得する必要があります。

関連資格

別途、試験に合格することにより取得できる関連資格には次のようなものがあります。

学科 認定
理学療法学科 NSCA認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)※1
初級障がい者スポーツ指導員
福祉住環境コーディネーター検定®2級 ※2
サービス接遇検定 準1級
作業療法学科 初級障がい者スポーツ指導員
福祉住環境コーディネーター検定®3級・2級 ※2
メンタルヘルス・マネジメント検定®Ⅲ種・Ⅱ種 ※3
サービス接遇検定 準1級
臨床工学科 第2種・第1種ME技術者
医療情報技師
基本情報技術者
医療機器情報コミュニケータ(MDIC)
  • 1本学が認定校となっています。
  • 2 福祉住環境コーディネーター検定®は、東京商工会議所の商標登録です。
  • 3 メンタルヘルス・マネジメント検定®は、大阪商工会議所の商標登録です。
教職課程

藍野大学では、看護学科に教職課程を設けています。(原則として希望選択制。なお、平成24年度入学生より保健師と教職免許との同時取得はできません。)
取得可能免許状は、高等学校教諭一種(看護)と養護教諭一種です。
(養護教諭二種免許状は、在学中に指定科目の単位を修得したうえで保健師国家資格を所有すれば、申請により取得できます)
以上の免許状取得を希望する方は、入学後のガイダンスで履修方法等について説明します。

学科 免許教科 免許状の種類
看護学科 看護 高等学校教諭一種
- 養護教諭一種