医療保健学部

臨床工学科

Department of Medical Engineering

2023年5月 模擬手術室完成
50年にわたる看護教育の集大成

高度化する医療に対応

医学と工学の知識を身につけ、医療現場で日常的に使用される高度な機器の操作、運用について学びます。また、他の医療職種と円滑にコミュニケーションが取れる、現場に強い臨床工学技士を育てます。
高度化する医療に対応するため、第一線で活躍する臨床工学技士から直接指導を受けるスタイルの臨床実習で、常に最新の技術を習得できる学習環境を用意。さらに、卒業研究をとおして、自ら課題を積極的に解決できる視点を身につけます。

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豊富な学内実習設備
新旧様々な医療機器を豊富に揃えることにより、医療機器の基本を十分に学ぶことができます。
充実した国家試験対策
学内模試を通して、それぞれの弱点や習熟度を随時分析し、個別指導による苦手分野の克服を図ります。
最先端施設での臨床実習
近隣の高度先端医療機関の手術室や集中治療室、人工透析センターなどで行い、現職の臨床工学技士から直接指導を受けることで、臨床工学技士の重要性を自覚します。

取得可能資格

臨床工学技士(国家試験受験資格)
医学と工学の知識を併せ持つ専門医療職で、病院などの医療機関で生命維持管理装置を中心に高度医療機器の操作や保守点検などを担当します。医療機器は高度化・多種多様化しており、時代のニーズに合った仕事といえます。代表的な業務には、人工呼吸器、血液浄化装置、心臓手術などに用いられる人工心肺装置、心臓ペースメーカーなどの操作、保守点検があります。また近年では、内視鏡やカテーテル治療などにも臨床工学技士が活躍しています。
第2種・第1種
ME技術者
各検定試験に合格することで、公益社団法人日本生体医工学会より第2種・第1種ME技術者の資格が交付されます。第2種では、医用生体工学に関する知識や、医療で応用できる資質の検定を受け、第1種では、第2種の資質に加え、医療機器に関する教育・指導ができる資質について検定を受けます。毎年、本学科でもこれらの検定試験の受験を推奨しています。
  • 基本情報技術者
  • 医療情報技師
  • 医療機器情報
    コミュニケータ
    (MDIC)
就職率(2022年3月卒業生実績)
100
臨床工学技士/
国家試験合格率
(2023年3月実績)
97.1全国平均:92.8%
  • 国家試験合格率は、新卒者で計上しています。
  • 就職率は、卒業生のうち国家試験不合格者、進学者、就職意思のない者を除いています。

活躍の場
(一例)

  • 手術医療分野
  • 集中治療分野
  • 心血管カテーテル治療分野
  • 内視鏡医療分野
  • 救命救急医療分野
  • 機器取り扱い教育
  • 医医療系企業(営業・技術・企画)
  • 血液浄化分野

学びの流れ

医学と工学のスペシャリストになるためのカリキュラム

1年次

1年次

臨床工学に必要な、数学、
物理学、
情報科学、心理学、
英語などの
基礎教養を
身につけます。

1年生カリキュラム
数学基礎Ⅰ・Ⅱ、物理学基礎Ⅰ・Ⅱ、化学基礎、統計学Ⅰ、数学基礎演習Ⅰ・Ⅱ、情報科学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、解剖学Ⅰ・Ⅱ、生理学Ⅰ・Ⅱ、医学概論、生化学、電気工学Ⅰ、臨床工学概論Ⅰ・Ⅱ...など

2年次

2年次

医療機器の原理を理解するために、
医学系、工学系の科目をバランス良く
学びます。

2年生カリキュラム
数学・物理学演習、電気工学Ⅱ、電気工学実習、電子工学Ⅰ・Ⅱ、機械工学、システム・制御工学、循環器病態学、医用材料学、生体計測装置学Ⅰ、機械工学実習、医用治療機器学Ⅰ、医用機器安全管理学Ⅰ...など

3年次

3年次

医療機器の扱いに関する
専門知識を
実習を通して
実践的に学習します。

3年生カリキュラム
電子工学実習、生体医工学、生体計測器学実習、医用治療機器学Ⅱ、医用治療機器学実習、心血管カテーテル治療学、人工心肺制御学Ⅰ・Ⅱ、臨床薬理学、血液浄化療法学Ⅰ・Ⅱ、機械工学演習、麻酔集中治療医学、臨床工学特別演習...など

4年次

4年次

学んできた知識と技術を4分野の
臨床実習で実践します。
卒業研究では研究課題の
解決に取り組みます。

4年生カリキュラム
臨床実習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ、臨床工学特論、臨床工学総合演習、卒業研究...など

学内の実習風景

実習

実際の医療施設と同じ設備で、臨床工学技士が主に扱う血液浄化装置や人工呼吸器、人工心肺装置の基本操作と、点検やトラブル時の対応を学習します。
4年次の臨床実習では、第一線で活躍する臨床工学技士からの直接指導で命に関わる責任感や心構えを養います。

実習
実習

実習先一覧

  • 藍野病院
  • 淡海医療センター
  • 大阪大学医学部附属病院
  • 京都岡本記念病院
  • 京都第二赤十字病院
  • 京都府立医科大学附属病院
  • 神戸市立医療センター中央市民病院
  • 神戸大学医学部附属病院
  • 滋賀医科大学医学部附属病院
  • 奈良県立医科大学附属病院
  • 兵庫県立尼崎総合医療センター
  • 八尾徳洲会総合病院
  • りんくう総合医療センター
  • 和歌山県立医科大学附属病院 など

Students'
Voice

プロから学べるカリキュラムと
充実した学内設備、環境に惹かれて。

中野さん(清風高等学校出身)

中野さん

医療従事者である両親を見て医療職に興味をもち、現代医療に欠かせない臨床工学技士という存在に魅力を感じるように。藍野大学を選んだのは、第一線で活躍する臨床工学技士の方から指導を受けられる授業に惹かれたからでした。医療機器など学内設備も充実していて最新の知見を得られる環境です。「臨床工学概論」の授業では臨床で使用する機器類の仕組みを学び夢に近づいているなとうれしくなりました。スキルも人とのつながりも大切にできる臨床工学技士をめざします。

Students'
Voice

仲間の熱意を感じながら夢に向かって
前進しています。

青木さん(大阪府立阿倍野高等学校出身)

青木さん

心臓の持病があり小さい頃から通院しています。臨床工学技士をめざすようになったのは、病院で出会ったペースメーカーを装着している友人に感化されたからでした。藍野大学は、学科を超えてチーム医療を学べる点に惹かれて入学。みんなが同じ夢に向かって頑張っていて、活気があるところが気に入っています。授業をとおして職業への理解が深まるとともに、将来の目標が明確になりました。卒業後は透析クリニックに就職し、患者さんとじっくり向き合いながら働きたいです。

キャリアサポート

現場で働く卒業生の声を就職活動にフル活用。

4年生の4月には就職ガイダンスを行い就職活動に備えます。多数の医療施設の方をお招きし、現在の医療設備や施設、仕事内容をご紹介いただくほか、本学科の卒業生と交流する機会を設け、臨床現場や就職活動、国家試験のアドバイスをいただきます。

  • 就職対策ガイダンス
    履歴書の書き方や面接対策、
    求人応募情報、病院見学の際の注意点などを指導
  • 医療施設の方々による説明会
    各施設の医療設備や仕事内容のご紹介
  • 本学科卒業生との交流会
    臨床現場で取り組んでいる
    臨床現場で取り組んでいる課題などの講演や就職活動、国家試験に対するアドバイスをいただきます
就職先内訳
就職率(2022年3月卒業生実績)
100
求人施設数(2023年3月卒業生実績)
1人当たりの求人施設数5.7件
※募集人員40名で計算して
います。
229

主な
就職先一覧

  • 愛仁会井上病院
  • 近江八幡市立総合医療センター
  • 大阪医科薬科大学病院
  • 大阪急性期・総合医療センター
  • 大阪公立大学医学部附属病院
  • 大阪大学医学部附属病院
  • 大阪府済生会中津病院
  • 関西ろうさい病院
  • 岸和田徳洲会病院
  • 京都第二赤十字病院
  • 京都府立医科大学附属病院
  • 国立循環器病研究センター
  • 国立病院機構呉医療センター
  • 堺市立総合医療センター
  • 滋賀県立総合病院
  • 市立大津市民病院
  • 市立長浜病院
  • 仁真会白鷺病院
  • 住友病院
  • 桃仁会病院
  • 奈良県立医科大学附属病院
  • 奈良県立総合医療センター
  • 東大阪医療センター
  • 兵庫県立尼崎総合医療センター
  • 兵庫県立加古川医療センター
  • 三菱京都病院
  • 和歌山県立医科大学附属病院 など
濱井さん

2021年3月卒業
兵庫県立尼崎総合医療センター勤務
濱井さん

卒業生からのメッセージ

緊迫感ただよう中で実施した、手術の実習。
実践的な学びが日々の業務に活きています。

看護師として働く祖母の姿を見て医療業界に興味を持ち、さらに機械系が好きなことから臨床工学技士を志しました。藍野大学を選んだ理由は、先生と学生の距離が近く相談がしやすそうだったからです。私は勉強が得意な方ではなく、たくさん質問したかったため、オープンキャンパスで感じた「話しやすさ」が決め手に。在学中、先生方は常に親身に対応してくださり、不安なく学ぶことができました。転機になった経験といえば3年次の手術実践実習です。学生のみで動物を対象にした手術を実施しました。それまで現場における臨床工学技士以外の業務まで意識できていなかったことに気がつくと同時に、多職種連携の重要性を身をもって実感。今も現場で「チーム内でなぜこの流れが必要なのか」と俯瞰的な視野で業務にあたれるのは、実習のおかげだと思います。卒業後は救急搬送を受け入れている病院に入職し、人工心肺やカテーテル治療における機器の取り扱い、水質管理、集中治療室担当など多岐にわたる業務で経験を積んでいます。先輩を見ていると知識も技術もまだまだと感じますが、技術面だけでなく人としても信頼される人材になれるよう、日々の業務にていねいに向き合っていきたいです。