藍野大学中央研究施設

研究所の概要

藍野大学再生医療研究所は、平成28年4月から藍野大学中央研究施設に名称を変更いたしました。

再生医療研究所は平成19年(2007年)に共同研究施設として設立されました。設立から9年、大学当局のご支援の下、研究機器および研究体制の整備を進めて参りましたが、此の度、大学の共同研究施設としての色彩を一層はっきりさせるためにこの名称に変更しました。本研究施設は、これまで通り、大学中枢の研究施設として、大学全体の研究活動を推進・発展させる役割を果たすことが期待されております。

研究所は、細胞培養、形態学・生化学・分子生物学、および動物実験などの基本的な研究設備と機器を備えており、看護、リハビリテーション(理学療法、作業療法)、臨床工学に関する実験的な研究ができる体制にあります。毎年、個人あるいはグループから10〜15件の研究課題が申請され、動物実験委員会で審査されます。他に動物を使用しない研究が学生の卒業研究を含めて3〜4件あります。

研究施設が進めている研究は、主に骨髄由来細胞を用いた脊髄損傷の治療法の開発およびそれに関連する研究です。再生研究は臨床応用されて初めてその価値を持つという立場から、共同研究の関西医科大学および田附興風会北野病院にて、これまで計15例の患者さんに骨髄間質細胞あるは骨髄単核細胞を投与しました。その結果、これらの細胞の安全性が確かめられ、その効果も有望視されております。骨髄由来細胞の移植では、治療効果を発揮するのは移植細胞自体ではなく、移植細胞の分泌する液性因子であることが明らかで、これは中枢神経系の再生について、従来の概念とは違った新たな視点を拓くものです。

研究はグループをつくって共同で進めるのが最も効率的で、それによって良い成果が期待できます。本研究施設が、そのような研究グループ形成の中核となり、ここを拠点に国際的レベルの研究が発展していくことを期待しております。

研究内容

  • 骨髄由来細胞(骨髄間質細胞、単核細胞)およびその培養上清の脊髄損傷に対する効果(図1,2)
  • 脈絡叢上皮細胞およびその培養上清の脊髄損傷に対する効果(図3)
  • 中心管上衣細胞の脊髄損傷に対する効果
  • 骨髄間質細胞由来神経再生因子の探索・解析
  • GFP/Neurofilament

    GFP/Neurofilament

    図1移植した骨髄間質細胞(緑)と再生神経軸索(赤)
    ラット脊髄損傷部に骨髄間質細胞(緑)を移植してから1週間後の脊髄を免疫組織化学染色した(coronal, 10 µm thickness) 。移植した骨髄間質細胞周辺に無数の神経軸索(赤)が確認された。
    Ide et al. Brain Res, 1332:32-47, 2010
  • GFAP/β-Tubulin

    GFAP/β-Tubulin

    図2骨髄間質細胞の培養上清を投与したラット脊髄損傷部の再生神経軸索(赤)
    脊髄損傷ラットに脳室から脳脊髄液経由で損傷直後から2週間にわたって骨髄間質細胞の培養上清を持続投与した。損傷から4週間後の脊髄を免疫組織化学染色した(sagittal, 10 µm thickness) 。細胞を移植しなくても培養上清を投与することで、脊髄損傷部(GFAP陰性)にβ-tubulin陽性の神経軸索(赤)が顕著に伸びてきた。
    Kanekiyo et al. J Neurotrauma, 35(3):521-532, 2018
  • GFP/pGAP-43

    GFP/pGAP-43

    図3移植した脈絡叢上皮細胞(緑)と再生神経軸索(赤)
    ラット脊髄損傷部に脈絡叢上皮細胞(緑)を移植してから2日後の脊髄を免疫組織化学染色した(sagittal, 10 µm thickness) 。pGAP-43陽性の再生神経軸索(赤)が移植した脈絡叢上皮細胞周辺に密に伸びてきた。
    Kanekiyo et al. Restor Neurol Neurosci, 34(3):347-66, 2016
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研究所スタッフ