本事業は環境省「令和5年度食品廃棄ゼロエリア創出の推進モデル事業等」にて採択された事業です。
昨年度実施した「AINO TOWN食品廃棄ゼロエリア創出プロジェクト」を継承しつつ、学生食堂から出た食べ残しなどの食品廃棄物を由来する液体肥料を用いて水耕栽培を行い、収穫した野菜を学生食堂にて提供しています。
また、水耕栽培装置は食堂内に設置し、学生・生徒、教職員への循環の見える化を図ることに加え、学生ボランティアが各取組にも携わることで、学生が自身の手で循環サイクルを創出、持続可能性を体験することを目指しています。
- 生ごみ処理機の通常電気使用量は0.750kW
- 年間電気使用量は、673.84時間/年×0.750kW=505.38kWh/年
- 基礎排出係数は、0.000360t-CO2/kWh
- よって、505.38kWh/年×0.000360t-CO2/kWh÷12=0.0152t-CO2/月
- 1日当りのLED照明 0.023kW/時間×16時間/日=2.944kWh/日
- 1日当りのモーター稼働 0.125kW/時間×24時間/日=3.000kWh/日
- よって(2.944+3.000)kWh/日×300日=1,783.2kWh/年
- 基礎排出係数は、0.000360t-CO2/kWh
- よって、1,783.2kWh/年×0.000360t-CO2/kW÷12=0.0535t-CO2/月
※基礎排出係数は以下を参考にした
関西電力株式会社「地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく
当社のCO2排出係数(2022 年度実績)の公表について」2024年1月15日
https://www.kepco.co.jp/corporate/notice/notice_pdf/20240115_1.pdf
①種植え(播種)
②仮定植
③定植
④定植から1週間
⑤定植から2週間
⑥定植から3週間
⑦収穫
⑧学生食堂への提供(還元)
⑨育てた野菜を使った菜園ピザを試食
⑩学生食堂への野菜提供量(還元量)
第1回目収穫(8月8日)
第2回目収穫(9月25日)
第3回目収穫(12月1日)
講義「環境と生活」受講者も参加
第4回目収穫(3月4日)
収穫した野菜を使ったサラダ(学食メニュー)
①学生の手で創出「学生食堂循環サイクル」パネルの作成、校内に掲示
②学生ボランティアを募集、学生食堂内に設置した水耕栽培を共同管理
③食品ロス削減に向けた取り組みと学生食堂から出た食べ残し等を掲載したポスター
(学生食堂の食事受け取りの導線上に掲示)
ポスターの内容やデザイン考案は学生ボランティアが担っています。
④食品廃棄物由来の液体肥料を活用した水耕栽培の情報発信
・学生・生徒へのSlackでの発信(キャンパス問わず発信)
・ホームページでの発信
⑤その他
参考.昨年度からの食べ残し等の推移
参考.昨年度との比較
考察
参考.昨年度からの食べ残し等の推移
本プロジェクトに参加した感想や学んだこと、プロジェクトへの要望を把握するためにアンケート調査を実施した。
実施:2024年12月1日~1月15日
Q1.あなたが昼食に学生食堂を利用する頻度を教えてください。
Q2.このプロジェクト参加以前において、あなたは「食品ロス」という言葉とその意味を知っていましたか?
考察
言葉も意味も知っていた学生が多い。
Q3.このプロジェクトに参加した理由を教えてください。
考察
「何となく面白そうだから」や「農業(水耕栽培)に興味があったため」という理由で参加した学生が多い。
Q4.このプロジェクトに参加してどのくらい満足していますか。
考察
プロジェクトに参加して満足している学生が多い。
Q5.このプロジェクトに参加して印象に残ったこと、自身の気付き、感想をお聞かせください。
考察
水耕栽培がとても印象に残っている学生が多く、野菜を育てる中で食べ物の大切さや食物残渣(食べ残し等)の活用について考えることができている。
また、身近なことで十分に食品ロス削減に貢献できることが理解されている。
Q6.このプロジェクトを通して学んだこと教えてください。
考察
植物栽培を通した感受性の育みが最も多いが、食べ物の大切さや食品ロスについてもプロジェクトを通して学ぶことができている。
Q7.このプロジェクトへの参加以前は、「食品ロス」についてどのように考えていましたか?
考察
「もったいない」と思わない学生はおらず、「ややもったいない」と思う学生が62.5%で、次いで「とてももったいない」と思う学生が37.5%である。
Q8.このプロジェクトへの参加以後は、「食品ロス」についてどのように考えますか?
考察
プロジェクト参加により食品ロスに対する意識が育まれ、「とてももったいない」と思う学生が参加前の37.5%から参加後は81.3%まで上昇した。
Q9.また、このようなプロジェクトに参加したいと思いますか?
考察
プロジェクトに参加した学生全員がまた「参加したい」または「時間があえば参加したい」と回答しており、本プロジェクトが食品ロスについて考える有効な手段であったと思われる。
藍野大学の科目「環境と生活」とコラボして、科目の中で学ぶSDGs、食糧問題に貢献すべく取り組む本プロジェクトを受講生が見学・体験。
見学の様子
プロジェクトを見学・体験することで問題に対する関心が深められた。
見学の様子
どの企業も、循環サイクル(食品廃棄物由来の液体肥料を活用し、野菜を育て、学生食堂に還元)に注目されていた。
他の企業や大学に広めたいとの意見もあった。実際にミツモト商事株式会社からJR九州ファーム株式会社に本学事業を紹介し、興味を持たれていたとのこと。
学生食堂の食品ロス削減について研究しているため本学に見学に来られた。関東では取り組んでいる大学はあるが、関西では見かけないとのこと。社会問題である食品ロス削減に対し、多くの大学で取り組むことを望まれていた。
オープンキャンパスにお越しになった高校生・保護者に学生食堂と共に見学・紹介し、大好評である。
見学の様子
社会や学校でSDGsが浸透しており、興味・関心が高いことが伺える。
参加した結果
事例発表については、社員食堂の食品廃棄物でお困りの企業様から自社で食品廃棄を削減するにあたり参考になったとのお言葉をいただいた。
また、茨木市イベントでの食品ロス啓発活動は子供たちを中心にクイズを通して食品ロスについて学ぶ場を形成できた。「もったいない」という言葉が多々聞かれ有意義であった。