医療保健学部

臨床工学科

Department of Medical Engineering

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高度化する医療に対応

Topics

リアルな実習を実現する
クリニカル・スキル・ラボ
(模擬手術室)

2023年に開設した模擬手術室は、臨床現場で実際に使用されている人工心肺装置や内視鏡、電気メスといった手術室で活躍する機器を豊富に取りそろえ、臨床工学技士の主要業務である人工心肺装置の操作や麻酔補助業務などの実習を、よりリアルな環境で行うことができます。2025年には集中治療室と病室を模したスペースも設置しており、手術・治療の流れを系統的に学びます。

豊富な学内実習設備
新旧様々な医療機器を豊富に揃えることにより、医療機器の基本を十分に学ぶことができます。
充実した国家試験対策
学内模試を通して、それぞれの弱点や習熟度を随時分析し、個別指導による苦手分野の克服を図ります。
最先端施設での臨床実習
近隣の高度先端医療機関の手術室や集中治療室、人工透析センターなどで行い、現職の臨床工学技士から直接指導を受けることで、臨床工学技士の重要性を自覚します。

取得可能資格

臨床工学技士(国家試験受験資格)
医学と工学の知識を併せ持つ専門医療職で、病院などの医療機関で生命維持管理装置を中心に高度医療機器の操作や保守点検などを担当します。医療機器は高度化・多種多様化しており、時代のニーズに合った仕事といえます。代表的な業務には、人工呼吸器、血液浄化装置、心臓手術などに用いられる人工心肺装置、心臓ペースメーカーなどの操作、保守点検があります。また近年では、内視鏡やカテーテル治療などにも臨床工学技士が活躍しています。
第2種・第1種
ME技術者
各検定試験に合格することで、公益社団法人日本生体医工学会より第2種・第1種ME技術者の資格が交付されます。第2種では、医用生体工学に関する知識や、医療で応用できる資質の検定を受け、第1種では、第2種の資質に加え、医療機器に関する教育・指導ができる資質について検定を受けます。毎年、本学科でもこれらの検定試験の受験を推奨し、サポートしています。
  • 基本情報技術者
  • 医療情報技師
  • 医療機器情報
    コミュニケータ
    (MDIC)
就職率(2024年3月卒業生実績)
100
臨床工学技士/
国家試験合格率
(2025年3月実績)
76.0全国平均:78.9%
  • 国家試験合格率は、新卒者で計上しています。
  • 就職率は、卒業生のうち国家試験不合格者、進学者、就職意思のない者を除いています。

活躍の場
(一例)

  • 手術医療分野
  • 集中治療分野
  • 心血管カテーテル治療分野
  • 内視鏡医療分野
  • 救命救急医療分野
  • 機器取り扱い教育
  • 医医療系企業(営業・技術・企画)
  • 血液浄化分野

学びの流れ

医学と工学のスペシャリストになるためのカリキュラム

1年次

1年次

臨床工学に必要な、数学、
物理学、
情報科学、心理学、
英語などの
基礎教養を
身につけます。

1年生カリキュラム
数学基礎Ⅰ・Ⅱ、物理学基礎Ⅰ・Ⅱ、化学基礎、統計学Ⅰ、数学基礎演習Ⅰ・Ⅱ、情報科学Ⅰ・Ⅱ、解剖学Ⅰ・Ⅱ、生理学Ⅰ・Ⅱ、医学概論、電気工学Ⅰ、臨床工学概論Ⅰ・Ⅱ...など

2年次

2年次

医療機器の原理を理解するために、
医学系、工学系の科目をバランス良く
学びます。

2年生カリキュラム
数学、物理学、電気工学Ⅱ、電気工学実習、電子工学Ⅰ、機械工学Ⅰ、システム・制御工学、循環器病態学、医用材料工学、生体計測装置学Ⅰ、機械工学実習、医用治療機器学Ⅰ、医用機器安全管理学Ⅰ...など

3年次

3年次

医療機器の扱いに関する
専門知識を
実習を通して
実践的に学習します。

3年生カリキュラム
電子工学実習、臨床医学外科総論、医用治療機器学Ⅱ、医用治療機器学実習、心血管カテーテル治療学、人工心肺制御学Ⅰ・Ⅱ、血液浄化療法学Ⅰ・Ⅱ、臨床工学演習Ⅱ、麻酔集中治療医学、臨床工学特別演習...など

4年次

4年次

学んできた知識と技術を4分野の
臨床実習で実践します。
卒業研究では研究課題の
解決に取り組みます。

4年生カリキュラム
臨床実習Ⅰ~Ⅴ、臨床工学特論、臨床工学総合演習、卒業研究...など

学内の実習風景

実習

実際の医療施設と同じ設備で、臨床工学技士が主に扱う血液浄化装置や人工呼吸器、人工心肺装置の基本操作と、点検やトラブル時の対応を学習します。
4年次の臨床実習では、第一線で活躍する臨床工学技士からの直接指導で命に関わる責任感や心構えを養います。

実習先一覧

  • 藍野病院
  • 淡海医療センター
  • 大阪大学医学部附属病院
  • 京都岡本記念病院
  • 京都大学医学部附属病院
  • 京都第二赤十字病院
  • 京都府立医科大学附属病院
  • 神戸市立医療センター中央市民病院
  • 神戸大学医学部附属病院
  • 国立循環器病研究センター
  • 滋賀医科大学医学部附属病院
  • 奈良県立医科大学附属病院
  • 兵庫県立尼崎総合医療センター
  • 八尾徳洲会総合病院
  • りんくう総合医療センター など

Students'
Voice

パソコンの基礎から応用までを習得。
現場で必要なスキルが身につきます。

竹内さん臨床工学科 2年次(松本第一高等学校出身)

竹内さん

数学が得意で、医療機器に携わる仕事に興味があり臨床工学科を選びました。「情報科学実習」の授業では、タイピングなどの基礎的な技術から表計算ソフトを用いた統計処理やグラフ作成など、臨床工学技士に必要な情報処理スキルが習得できました。

大学の
取り組み
Students'
Voice

他職種と連携して行う本格的な手術の実践で、臨床工学技士の役割と重要性を実感。

川口さん臨床工学科 卒業(兵庫県立川西北陵高等学校出身)

川口さん

他職種と連携して手術を行う「手術実践実習」では、他の医療従事者の業務内容を理解し、臨床⼯学技⼠として求められる⾏動を予測し円滑なコミュニケーションを図りながら実⾏することの重要性を学びました。実際の現場でも必要になる状況判断力や対応力も身につきました。

Students'
Voice

伝える力が自分を成長させると実感。
患者さんを前向きにする
そんな臨床工学技士になりたいです。

樽井さん臨床工学科 4年次(大阪府立桜宮高等学校出身)

樽井さん

大阪府医師会の団体と大阪市の医師会が主催するイベントで、人工臓器や医療機器の展示と説明を行うボランティアを経験しました。来場者に電気メスや内視鏡を紹介する中で、想像より医療機器への関心が高いことを感じました。質問に答えられず、自分の知識不足を痛感する場面もありましたが、専門用語を使わずに分かりやすく説明することで、自分の理解も深まることに気づくことができました。この経験を通じて、患者さんの不安を解消し、治療に前向きな気持ちを持ってもらえる臨床工学技士になりたいという思いが強くなりました。藍野大学では実践的な学びが多く、挑戦する機会も豊富です。興味を持ったことには、ぜひ積極的にチャレンジしてほしいです。

キャリアサポート

現場で働く卒業生の声を就職活動にフル活用。

4年生の4月には就職ガイダンスを行い就職活動に備えます。多数の医療施設の方をお招きし、現在の医療設備や施設、仕事内容をご紹介いただくほか、本学科の卒業生と交流する機会を設け、臨床現場や就職活動、国家試験のアドバイスをいただきます。

  • 就職対策ガイダンス
    履歴書の書き方や面接対策、
    求人応募情報、病院見学の際の注意点などを指導
  • 医療施設の方々による説明会
    各施設の医療設備や仕事内容のご紹介
  • 本学科卒業生との交流会
    臨床現場で取り組んでいる
    臨床現場で取り組んでいる課題などの講演や就職活動、国家試験に対するアドバイスをいただきます
就職先内訳
就職率(2024年3月卒業生実績)
100
求人施設数(2025年3月卒業生実績)
1人当たりの求人施設数8.3件
※募集人員40名で計算して
います。
248

主な
就職先一覧

  • 藍野病院
  • 愛仁会井上病院
  • 医誠会国際総合病院
  • 淡海医療センター
  • 近江八幡市立総合医療センター
  • 大阪医科薬科大学病院
  • 大阪急性期・総合医療センター
  • 大阪公立大学医学部附属病院
  • 大阪大学医学部附属病院
  • 大阪府済生会中津病院
  • 関西ろうさい病院
  • 岸和田徳洲会病院
  • 京都第二赤十字病院
  • 京都府立医科大学附属病院
  • 京都山城総合医療センター
  • 神戸市立医療センター中央市民病院
  • 国立循環器病研究センター
  • 国立病院機構呉医療センター
  • 堺市立総合医療センター
  • 滋賀県立総合病院
  • 市立大津市民病院
  • 市立長浜病院
  • 市立東大阪医療センター
  • 仁真会白鷺病院
  • 住友病院
  • 桃仁会病院
  • 奈良県総合医療センター
  • 奈良県立医科大学附属病院
  • 西宮渡辺心臓脳・血管センター
  • 西宮渡辺病院
  • 兵庫県立尼崎総合医療センター
  • 兵庫県立加古川医療センター
  • 三菱京都病院
  • 和歌山県立医科大学附属病院 など
戸田さん

2024年卒業
兵庫県立尼崎総合医療センター/勤務
臨床工学技士 戸田さん

卒業生からのメッセージ

模擬手術など実践的な学びの経験が、
現場での自信につながりました。

兵庫県立尼崎総合医療センターで、心臓カテーテル業務や人工心肺業務を担当しています。医療機器を駆使し、チーム医療の一員として患者さんの命を支えるこの仕事に大きなやりがいを感じています。藍野大学を選んだのは、他では経験できないニプロでの模擬手術実習があったからです。特に印象に残っているのは卒業研究です。再生医療の研究に携わり、テレビでしか聞いたことのなかったような最先端医療を間近で学ぶことができたことは、大きな経験だったと思います。臨床工学技士が扱う医療機器は多種多様で、在学中も卒業後も覚えることが多く大変ですが、様々な分野に特化したプロフェッショナルが集まる面白い職種だと思います。