本事業は環境省「令和4年度 地方公共団体及び事業者等による食品廃棄ゼロエリア創出の推進モデル事業等」にて採択された事業です。
昨今の大きな社会問題である食品ロスの解決に貢献すべく、学生・生徒、教職員に対する食品ロス削減のための啓発活動を活発に行い、一人ひとりが食品ロスの発生要因を理解し、一番重要で身近である日々の食生活の見直しを行い、大阪茨木キャンパスにおける食品廃棄ゼロエリア化に取り組みました。
(参考)フードドライブへの寄付数の推移を調べる
(参考)フードドライブへの寄付が増える
※「残さず食べ切る」「売れ残りをなくす」ことが目標達成に向けた主となる取組であり、
生ごみ処理機の活用は食品廃棄を0(ゼロ)にするための最終手段と位置付ける。
(1)食品ロスに関するアンケートの実施
食品ロス啓発活動に取り組む前と後の学生・生徒、教職員の食品ロスに対する意識を把握するために、
また、食品ロスを知る・削減に取り組むきっかけ作りのためにアンケート調査を実施した。
①第1回実施期間:2022年6月13日~6月30日(啓発活動前)
回答率 高校生 96.5%(回答者数362人/在学者数375人)
大学生・短大生 16.0%(回答者数243人/在学者数1,519人)
教職員 87.9% (回答者数123人/在籍者数140人)
②第2回実施期間:2022年12月6日~12月23日(啓発活動後)
回答率 高校生 83.2%(回答者数311人/在学者数374人)
大学生・短大生 31.7%(回答者数475人/在学者数1,497人)
教職員 75.7% (回答者数106人/在籍者数140人)
(2)食品ロス削減啓発冊子の配布
『食品ロスについて知る・学ぶ・考える機会』をつくるため学校法人藍野大学独自の食品ロス削減ガイドブックを作成。
『食品ロスの意味や発生原因、日本と世界の食糧事情、食品ロスを削減する有効性(出費やCO2排出の抑制)を掲載。
また、食品ロスの問題に対して、一人ひとりが難しく考えずに食品ロスの削減に取り組めるように、身近で簡単な事例を紹介し、『できることから始める』という意識を高められる内容にした。
冊子は、学生・生徒、教職員2,034人に配布した。
(3)食品ロス啓発パネルの設置
学生ホールや学生食堂等に、『食品ロス問題を身近に感じる空間』をつくるため、啓発パネルを設置。
学生・生徒の興味・関心を高めるため、啓発パネルのデザインを学生・生徒に募り、4点の応募があった。
場所:
藍野大学学生ホール、メディカル・ラーニング・コモンズ
学生食堂(AINOPIA BUILDING内)、藍野高等学校校舎
パネル設置期間:2022年6月21日~
(4)フードドライブ活動
企業から寄贈いただいたり、フードドライブ活動を通じて学生・生徒や教職員の家庭から『未利用食品の提供支援を受け必要としている学生・生徒に無償提供』することで、食品ロスの削減に取り組む。
※本寄付数の多寡によって、本事業の効果を測るものではない。
※必要な分だけ買う、期限内に食べ切ることが食品ロス削減につながることを理解していただくことが望ましく、仮に学生・生徒及び教職員の家庭からの寄付数が減少した場合も、課題とは考えていない。
実施期間:2022年6月~
※高校生の在学者数:375人(第1回)、 374人(第2回)/大学生・短大生の在学者数:1,519人(第1回)、1,497人(第2回)/教職員の在籍者数:140人。
第2回の大学生・短大生の回答数が増えた理由は、回答期日後にアンケート回答の協力要請を行ったためである。
そのため、大学生・短大生には第2回にて初めてアンケートに回答する学生が、回答者の半数以上存在したこととなる。
考察
考察
考察
考察
考察
結果は取組2に記載
6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
19品 | 30品 | 19品 | 7品 | 20品 | 0品 | 6品 | 0品 | 0品 |
調査月 | 6月 | 7月(前) | 7月(後) | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
営業日数 | 日 | 8 | 4 | 16 | 15 | 19 | 20 | 20 | 18 | 18 | 19 |
定食の提供総数 | 食 | 2,841 | 649 | 2,790 | 2,061 | 2,186 | 3,529 | 4,213 | 3,620 | 3,417 | 2,442 |
内、ごはん量の 選択「大盛」 |
食 | 655 | 272 | 1,093 | 787 | 780 | 1,410 | 1,838 | 1,716 | 1,608 | 1,076 |
内、ごはん量の 選択「普通」 |
食 | 1,212 | 196 | 873 | 657 | 712 | 1,099 | 1,282 | 1,048 | 1,073 | 782 |
内、ごはん量の 選択「小盛」 |
食 | 974 | 181 | 824 | 617 | 694 | 1,020 | 1,092 | 856 | 736 | 584 |
お弁当の総販売数 | 食 | 225 | 86 | 406 | 378 | 452 | 359 | 485 | 377 | 212 | 254 |
内、お弁当の 定価販売数 |
食 | 225 | 86 | 406 | 378 | 452 | 359 | 485 | 377 | 212 | 254 |
※7月(前):取組1(1)食品ロス削減啓発冊子の配布前(7/1~7/6)
7月(後):取組1(1)食品ロス削減啓発冊子の配布後(7/7~)
■各月別の実績(営業日当たりの平均廃棄量)
調査月 | 6月 | 7月(前) | 7月(後) | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
食品廃棄物の発生量 | kg/日 | 7.2 | 5.9 | 3.5 | 2.2 | 1.5 | 2.0 | 1.0 | 1.0 | 0.8 | 0.9 |
うち、 定食の食べ残し |
kg/日 | 1.5 | 0.2 | 0.3 | 0.3 | 0.4 | 0.4 | 0.4 | 0.4 | 0.3 | 0.5 |
うち、 お弁当の廃棄 |
kg/日 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
うち、 その他の食品廃棄 |
kg/日 | 5.7 | 5.8 | 3.2 | 1.9 | 1.2 | 1.6 | 0.6 | 0.6 | 0.5 | 0.4 |
※1営業日当たりの平均廃棄量=当月の食品廃棄物の発生量(総量)÷当月の営業日数
調査月 | 6月 | 7月(前) | 7月(後) | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
食品廃棄物の発生量 | g/食 | 20.4 | 36.4 | 19.9 | 15.9 | 13.4 | 11.3 | 4.9 | 5.1 | 4.1 | 6.8 |
うち、 定食の食べ残し |
g/食 | 4.2 | 0.9 | 1.8 | 1.9 | 3.3 | 2.0 | 1.9 | 2.0 | 1.7 | 4.0 |
うち、 お弁当の廃棄 |
g/食 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
うち、 その他の食品廃棄 |
g/食 | 16.2 | 35.4 | 18.1 | 14.0 | 10.1 | 9.2 | 3.0 | 3.1 | 2.4 | 2.7 |
※定食1食当たりの平均廃棄量=当月の食品廃棄物の発生量(総量)÷当月の定食の提供総数
※7月(前)は営業日が限られ、提供メニューの影響を受けている可能性がある
■各月別の実績(営業日当たりの平均廃棄量)
調査月 | 6月 | 7月(前) | 7月(後) | 8月 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
生ごみ処理機への投入量 | kg/月 | 57.9 | 23.6 | 55.5 | 32.8 | 29.4 | 39.8 | 20.8 | 18.5 | 14.0 | 16.5 |
※1日当たりの最大廃棄量 | kg/日 | 11.0 | 7.5 | 13.4 | 3.6 | 3.2 | 3.0 | 1.7 | 1.7 | 1.3 | 1.6 |
※1日当たりの最小廃棄量 | kg/日 | 5.6 | 3.6 | 1.7 | 1.3 | 0.2 | 1.2 | 0.6 | 0.5 | 0.2 | 0.1 |
生ごみ処理機に 投入できなかった 実廃棄量 |
kg/月 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
食べ残し・調理場ごみとして確認された食品の記録を通じて、提供頻度の高い「ごはん」「ミニトマト」「グリーンリーフ」は廃棄頻度も高いことがわかり、次年度以降の継続課題と認識している。
アンケートから取り組みが浸透していないものも散見されたため、「学内広報誌」や「活動便り」などで見える化を図るべきであった。
アンケートで助言いただいたことを、どれだけ具現化できるかが活動の支持につながるものと考えるため、丁寧に検討・対応していく。
大学事務局前に食品回収BOXを設置し、未利用・期限が近い食品を回収していたが、食品回収BOXではコミュニケーションが生まれないため、学生、生徒にも実感がわかなかったのではないか思われる。それがアンケートにおける認知度の低さの結果につながったものと考えている。