お知らせ2022.04.05
2022年度 藍野大学 入学式 学長式辞
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。また御家族の皆様にも、心よりお祝いを申し上げます。
皆さんが入学した我が藍野大学には医療保健学部に看護学科、理学療法学科、作業療法学科、臨床工学科の四学科ならびに大学院看護学研究科を設けております。それぞれの道で、ぜひ学問に励んでいただきたいと思います。
皆さんご存じのように、ここ二年間新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るいました。世界中の誰もが、この感染症と無関係ではいられませんでした。皆さんも授業が突然オンラインになったり、さまざまな行事も中止を余儀なくされる等不安や戸惑いも大きかったことでしょう。三月二十六日をもってようやくまん延防止等重点措置が解除されましたが、オミクロン株の感染力は強く、最近再び十代、二十代を中心として感染が増え、再流行の恐れが現実のものとなっております。皆さんにはご入学後もマスクの着用、手洗い、換気といった基本的な感染予防対策を今まで通り続けていただくことをぜひお願いしたいと思います。
さて、超高齢社会を迎え疾病構造も変化する今、日本の医療現場は「身体的な治療に主眼を置く医療」から「患者さんの人生・生活を支える医療」へと大きく転換しつつあります。
このような患者さんの生活や人生に関わる医療現場では、皆さんが今まで勉強してきたように答えが一つであるとは限らないのです。それどころか答えがあるかどうかも分からない状況に遭遇することも少なくありません。そこでは患者さんや家族、そして医療者が対話を繰り返し、それぞれが納得できる解決方法を模索する必要があります。そのために医療者に求められることは知識や技術の取得のみならず、コミュニケーション力、論理的思考力を養い、更に協働での問題解決能力を育むことです。藍野大学では教育理念として“Saluti et solatio aegrorum”(病める人々を医やすばかりでなく慰めるために)を掲げています。この言葉は孤独という闇の中で病気に苦悩する人にとって、力強く、暖かい灯火のような存在になることが医療人の真の役割であることを謳っています。この理念は職種を問わず、全ての医療人が心掛けなければならない目標であり、医療の基本を示す精神であるといえましょう。藍野大学ではこの教育理念をより発展させ、具現化するためにSym-Medical(シン・メディカル)という理念(「看護、理学療法、作業療法、臨床工学を含む医療、福祉、保健の専門家が一緒になり(Sym)、シンフォニーを奏でるように協力して患者中心医療(Medical)を行う」)の元、多職種連携教育を行い、コミュニケーション力・論理的思考力の向上を図り、医療現場で様々な医療従事者と協働できる医療人を送り出しています。
この教育理念とシン・メディカルで構成される考えを私は「藍野フィロソフィー」として、その確立に教職員・学生一体となって努力しております。
私たちと藍野大学で学び、情熱とフィロソフィーを持った医療人になれるよう、是非、共に目指していきましょう。
また藍野大学の学びの中で、一人の社会人として、一人の人間として成長できるよう、ぜひ頑張ってほしいと思います。
以上をもちまして私の式辞とさせていただきます。
本日は誠におめでとうございます。