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2026.09.30
AIは性格を予測できる?ChatGPT時代のデジタルコミュニケーションと心理
ChatGPTに勉強を教えてもらったり、SNSでおすすめの投稿が表示されたりすることは、今では当たり前になりました。
最近では、「AIは自分のことをどこまで分かっているのだろう」「SNSの投稿だけで性格まで分かるの?」と気になったことがある人もいるのではないでしょうか。
実は、AIは文章の特徴や言葉づかいなどを分析し、その人の性格傾向を推定する研究が進められています。ですが、人の心や行動は、データだけで正確に理解できるほど単純ではありません。
この記事では、AIはどのように性格を予測しているのかを紹介しながら、デジタルコミュニケーションが広がる時代だからこそ大切になる「人を理解する視点」について、心理学をもとにわかりやすく解説します。
AIを身近に使っている人も、人の心やコミュニケーションに興味がある人も、新しい学びの入り口としてぜひ読んでみてください。
1.AIは性格を予測できる?
SNSで投稿した内容に対して、「あなたはこんな性格です」と表示される診断を見かけたことはありませんか。
また、おすすめの動画や広告が、自分の興味にぴったり合っていると感じることもあるでしょう。
こうしたサービスにはAIが活用されている場合が多く、私たちが普段使う言葉や行動の特徴をもとに、興味や行動の傾向を分析しています。
では、本当にAIは人の性格まで分かるのでしょうか。
まずは、AIがどのような情報を分析しているのかを見ていきましょう。
1.1 AIはSNSのどんな情報を分析している?
AIは、人の心そのものを直接読み取っているわけではありません。
分析しているのは、SNSやチャット、プロフィールなどに残るさまざまな情報です。
例えば、次のような特徴が分析の対象になることがあります。
- 投稿に使われる言葉や言い回し
- 投稿するテーマや内容
- 投稿する時間帯や頻度
- 「いいね」やコメントなどの反応
- 絵文字や顔文字の使い方
例えば、「今日は最高!」「楽しかった!」と前向きな言葉をよく使う人もいれば、出来事を落ち着いた文章で伝える人もいます。また、毎日のように投稿する人もいれば、ほとんど投稿しない人もいるでしょう。
AIは、こうした一つひとつの情報ではなく、多くの投稿に共通するパターンを分析しています。そして、「このような特徴がある人には、このような性格傾向が見られる」という統計的な関係をもとに、性格を推定しています。
つまり、AIは一つの投稿だけではなく、日頃の投稿や行動に表れる傾向をもとに予測しているのですね。
1.2 Big Fiveなどの性格特性を推定する研究が進んでいる
AIによる性格推定では、心理学で広く研究されている「Big Five(ビッグファイブ)」という性格理論が活用されています。
Big Fiveとは、人の性格を「外向性」「協調性」「誠実性」「神経症傾向」「開放性」の5つの特性から捉える理論です。近年は、SNSへの投稿や文章の特徴から、これらの性格傾向を推定する研究が進められています。
こうした研究は、教育やヘルスケアなどへの活用が期待される一方で、個人情報やプライバシーへの配慮も重要だと考えられています。
参考:
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)「SNSの情報からIQや外向性など幅広いパーソナリティの推定に成功」
https://www.nict.go.jp/press/2020/08/20-1.html
1.3 AIは「性格を見抜く」のではなく傾向を予測している
AIが性格を予測すると聞くと、自分のことを全部見抜かれてしまうのでは…と感じる人もいるかもしれません。
しかし、現在のAIが行っているのは、あくまでもデータにもとづいた傾向の推定です。人の気持ちや考えを直接理解しているわけではありません。
例えば、SNSでは普段より明るい自分を表現する人もいれば、見る専門でほとんど投稿しない人もいます。同じ人でも、学校や家庭、その日の気分によって言葉づかいは変わるでしょう。
つまり、人の性格や行動は、そのときの状況や経験によって変化します。AIは便利な技術ですが、それだけで一人ひとりを正確に理解できるわけではないのです。
では、AIとのやり取りが増える今、私たちはどのようにデジタルコミュニケーションと向き合えばよいのでしょうか。
2.デジタルコミュニケーションで知っておきたいこと
ChatGPTで調べ物をしたり、文章を考えてもらったりと、AIは私たちの身近な存在になりました。一方で、便利だからこそ、使い方を間違えると思わぬ誤解やトラブルにつながることもあります。
ここで大切なのは、AIに任せることと、自分で考えることを上手に使い分けること。 AIの特徴を知ることで、より安心して活用できるようになるでしょう。
2.1 ChatGPTは「考えを整理する相手」として活用できる
ChatGPTは、質問に答えるだけでなく、アイデアを整理したり、文章の構成を考えたりすることも得意です。
「レポートのテーマが思いつかない」「英語の長文を要約したい」「面接で話す内容を整理したい」といった場面では、自分の考えをまとめる手助けをしてくれます。
ただし、考えることそのものをAIに任せてしまうと、自分で情報を整理したり、判断したりする力が育ちにくくなる可能性もあります。
AIは考える代わりではなく、自分の考えを整理するためのパートナーとして活用するとよいでしょう。
2.2 AIの答えをそのまま信じないことが大切
AIは多くの情報をもとに文章を作りますが、いつも正しい答えを返すとは限りません。 事実と異なる内容をもっともらしく説明してしまうハルシネーションと呼ばれる現象も知られています。
また、情報が古かったり、出典がはっきりしなかったりする場合もあります。
課題やレポートに活用するときは、公的機関や大学など信頼できる情報と照らし合わせて確認することが大切です。
便利だからこそ、「本当に正しい情報かな」と確かめる姿勢が欠かせません。
2.3 AIにはできないコミュニケーションもある
近年AIは自然な会話ができるようになってきました。でも、相手の表情や声の変化、その場の空気まで理解しているわけではありません。
例えば、相手の表情や声の変化から、「何かあったのかな」と気遣うことがありますよね。
また、同じ言葉でも、表情や話し方によって受け取り方は変わります。
こうした相手の気持ちや、その場の雰囲気を感じ取りながら関わる力は、人だからこそ育めるコミュニケーションです。
AIが身近になった今だからこそ、人と直接向き合う時間の大切さも、改めて見直されています。
3.心理学ではAIでは分からない「人」をどう理解する?
心理学が大切にしているのは、その人が「なぜそのように考え、行動したのか」という背景まで理解しようとする視点です。
同じ出来事でも、人によって受け止め方は人それぞれ。その違いは性格だけでは説明できません。
ここからは、心理学が人をどのように理解しようとしているのかを見ていきましょう。
3.1 人は経験や環境によって考え方や行動が変わる
例えば、同じテストで思うような点数が取れなかったとしても、「次は頑張ろう」と前向きになれる人もいれば、「もう無理かもしれない」と落ち込んでしまう人もいます。
この違いには、その日の体調や受験への不安、これまでの経験など、さまざまな要因が影響しています。
心理学では、人の行動は性格だけで決まるのではなく、状況や環境によっても変化すると考えます。だからこそ、一つのデータだけで人を理解することはできないのです。
3.2 心理学では一人ひとりの背景も大切にする
心理学では、目の前の行動だけで人を判断しません。
授業で発言が少ない人がいたとしても、「消極的な性格だから」と決めつけることはありません。緊張しているのかもしれませんし、体調や人間関係が影響している可能性もありますよね。
このように、一人ひとりの背景を理解しようとする視点は、教育や医療、スポーツ、健康づくりなど、さまざまな場面で生かされています。
AIが発達する時代だからこそ、人の背景や気持ちを理解する力は、これまで以上に大切なものになっていくでしょう。
4.心理学を学ぶとAI社会のコミュニケーションが見えてくる
Iは私たちの暮らしを大きく変えています。
勉強や仕事、情報収集など、これから先もAIを活用する場面はさらに増えていくでしょう。
その一方で、AIが発達するほど、人の気持ちや背景を理解する力の大切さも高まっています。
健康づくりを支援する場面では、AIが運動メニューを提案することができます。しかし、「なぜ続けられないのか」「どんな不安を抱えているのか」といった気持ちまでは、一人ひとりと向き合いながら考える必要があります。
教育の現場では、学習データを分析するAIが活用される一方で、子どものやる気を引き出したり、不安な気持ちに寄り添ったりするのは人の役割です。
このように、AIと人は対立する存在ではなく、それぞれの得意なことを生かしながら支え合う関係へと変化しています。
デジタル技術が進化する時代だからこそ、「人を理解する力」はますます価値のある学びになっていくでしょう。
5.まとめ
AIは、SNSへの投稿や言葉づかいなどを分析し、その人の性格傾向を推定する研究にも活用されています。しかし、AIが理解しているのは、あくまでもデータから読み取れる傾向です。
実際の人は、経験や環境、その日の気持ちなど、さまざまな要素の影響を受けながら考え、行動しています。そのため、一人ひとりを理解するには、データだけでは見えない背景にも目を向けることが欠かせません。
心理学は、人の心や行動を科学的に理解し、その人らしさや周囲との関わりまで含めて考える学問です。この視点は、教育や医療、スポーツ、地域での健康づくりなど、多くの分野で生かされています。
藍野大学医療保健学部健康科学科では、心理学・医学・トレーニング科学・社会科学を横断的に学び、「身体づくり」「心づくり」「関係づくり」の視点から、人と社会のウェルビーイングを支える力を育みます。
AIがますます身近になるこれからの社会だからこそ、人を深く理解し、より良いコミュニケーションを考える力は大きな強みになります。
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