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2025.10.17

リハビリとは?スポーツと健康科学の視点から解説

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「リハビリ」と聞くと、ケガや病気の回復を思い浮かべる人が多いかもしれません。

テレビでアスリートが復帰する姿を見て、感動したことはありませんか? その裏側には、リハビリという地道な努力と専門家の支えがあります。


リハビリは治療や訓練にとどまらず、スポーツや健康科学と深く結びつき、私たちの生活の質(QOL)を高める重要な役割を担っています。


この記事では、リハビリの基本から、スポーツや健康科学との関係、そして将来の進路としての魅力まで、具体例を交えてわかりやすく解説します。



リハビリとは

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日常生活でよく耳にする「リハビリ」という言葉ですが、その本質を理解している人は意外と少ないかもしれません。


リハビリテーション(rehabilitation)は本来、「再び適した状態へ導くこと」を意味し、身体的・精神的な障がいを乗り越え、自分らしい生活を再構築するプロセス全体を指します。


近年では、リハビリは“回復”だけでなく、“予防”や“健康増進”のためのアプローチとしても注目されており、医療現場にとどまらず、スポーツや福祉、教育といった幅広い分野でその重要性が高まっています。


では、リハビリの現場ではどのような専門家が関わり、どんな役割を担っているのでしょうか?


リハビリに関わる専門職

もしあなたがリハビリを受けることになったら、どんな専門家に出会うでしょうか? そこには、あなたの「できる」を最大限に引き出すプロフェッショナルたちがいます。


代表的なのは理学療法士(PT)と作業療法士(OT)です。


理学療法士

運動や物理的手段(電気刺激、マッサージ、温熱など)を用いて、基本的な動作能力の回復をサポートします。たとえば、骨折後の歩行訓練や、スポーツ選手のケガからの復帰プログラムが挙げられます。


作業療法士

日常生活動作や作業活動を通じて、身体や心の機能回復・維持・発展を目指します。たとえば、脳卒中後の箸の使い方の訓練や、精神的なサポートも重要な役割です。


このほか、言語聴覚士(ST)医師・看護師、スポーツトレーナーなど、多職種が連携しながら、患者一人ひとりの目標に合わせたリハビリを提供しています。


スポーツとリハビリの関係

スポーツの現場では、リハビリはケガからの回復だけでなく、パフォーマンス向上や再発予防にも活用されています。


たとえば、サッカー選手が膝を負傷した場合


理学療法士やトレーナーが協力しながら、

  • 筋力や柔軟性の回復
  • 正しい動作パターンの再学習
  • 競技特性を踏まえたトレーニング
といったプロセスを段階的に組み立て、選手が自信を持ってピッチに戻れるよう支援します。


スポーツ現場でのリハビリ(スポーツリハビリ)は、治療にとどまらず、動作解析や心理的サポート、トレーニング負荷の調整なども取り入れ、より科学的かつ個別化されたアプローチが求められます。


スポーツや医療の現場でリハビリが果たす役割は、回復を超えて、人の人生を支える大きな力となっています。



健康科学とは

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健康科学という言葉は、まだなじみが薄いかもしれませんが、現代社会でますます重要性が高まっている分野です。
健康科学は、医学や生物学、心理学、社会学など多様な学問を横断し、人々の健康を科学的に探求・向上させる学問領域です。
リハビリやスポーツとも密接に関わり、健康づくりの最前線を支えています。


ここからは、健康科学の定義や具体的な学びの内容、リハビリとの関係を詳しく見ていきましょう。


健康科学の定義と学問領域

健康科学とは、人体の構造や機能、心身の健康維持・増進・回復に関する知見を深め、スポーツ、栄養、心理、教育など多角的な視点から研究する学問です。


世界保健機関(WHO)は健康を「身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態」と定義しており、健康科学ではこの考え方に基づいて、健康の本質を理論的・実践的に探究します。


この分野では、以下のような応用分野と基礎科学を統合的に学びます。

応用分野(実践的スキルを磨く領域)

  • 医学
  • 薬学
  • 看護学
  • リハビリテーション
  • 心理学
基礎科学(生命現象の理解や科学的思考の基盤となる領域)
  • 生物学
  • 化学
  • 物理学
このように、健康科学では幅広い分野を学ぶことで、総合的な健康の知識とスキルを身につけます。


健康科学で学べる具体的な分野

健康科学では、以下のようなテーマを学びます。
それぞれが、現代社会が抱える健康課題と深く関わっています。

【健康科学の主な学びの領域】

  • 病気の予防と健康増進の理論・方法
  • 医療現場での実践的な知識と技術の習得
  • 栄養学や運動学、リラクゼーションなどの生活習慣改善
  • 福祉や介護、心理的サポート
  • 公衆衛生や社会全体の健康課題へのアプローチ

このように、健康科学は「人の健康を守る」ために必要な知識とスキルを、幅広い視点から体系的に学べる学問なのです。


現代の複雑な健康課題に対応しながら、自分や家族、地域、そして社会全体の「健康で豊かな暮らし」を支える力を育てる。それが健康科学を学ぶ意義です。


健康科学とリハビリの関係

健康科学とリハビリは、切っても切れない関係にあります。


リハビリは、健康科学の知見を活用し、ケガや病気からの回復だけでなく、健康増進や疾病予防にも貢献しています。


たとえば、運動生理学の知識を応用して、個々の身体機能や生活環境に合わせたリハビリプログラムを設計したり、最新の脳科学や心理学を取り入れたメンタルサポートも行われています。
また、健康科学の研究成果は、スポーツ現場や地域の健康づくりにも活かされ、社会全体の健康レベル向上に寄与しています。



健康科学を学ぶメリット

では、健康科学を学ぶことで、どんなメリットがあるのでしょうか。


健康科学の知識やスキルは、個人の生活だけでなく、社会全体に大きな影響を与える力を持っています。ここでは、その魅力や学ぶことで得られる具体的なメリットについて紹介します。


幅広い知識と実践力が身につく

健康科学では、医療・看護・リハビリ・栄養・スポーツ・心理など、健康に関連するさまざまな分野を横断的に学びます。


そのため、知識の詰め込みではなく、実際の現場で役立つ実践力や応用力が身につきます。


たとえば

  • 病院や福祉施設での臨床実習
  • 地域住民を対象とした健康イベントや指導活動
  • スポーツ大会の運営やコンディショニングサポート
こうした経験を通じて、机上の学びだけでなく「人の健康を支える現場感覚」が養われます。


社会のニーズに応えられる人材に

日本は世界でも有数の超高齢社会。 加えて、生活習慣病の増加やメンタルヘルス問題など、健康に関する課題は年々複雑化しています。健康科学の学びは、こうした社会的ニーズに応える専門性を育む道でもあります。 地域の健康づくり、企業の健康経営、教育現場での健康教育など健康科学を活かせる場は年々広がっています。 社会貢献を実感できるキャリアを目指す方にとって、非常にやりがいのある学問分野です。

多様な進路・キャリア選択が可能

健康科学の学びは、医療職だけでなく、教育、行政、企業、研究機関などのさまざまな分野で活かせます。


たとえば
  • 保健師や看護師、理学療法士などの国家資格を活かす医療職
  • スポーツトレーナーや健康運動指導士としてアスリートや一般市民をサポート
  • 教育現場での養護教諭や健康教育の専門家
  • 健康経営を推進する企業内スタッフ
  • 大学院進学を通じた研究者の道
  •  など

また、健康科学の知識は「自分自身や家族の健康を守る」という日常生活にも直結しています。生涯を通じて役立つ「一生ものの知識」と言えるでしょう。


健康を支えるプロフェッショナルとして、社会に貢献しながら、自分自身もより健やかな人生を歩んでいく。 それが、健康科学を学ぶ大きな魅力です。



まとめ

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リハビリは、ケガや病気からの回復だけでなく、スポーツや健康科学と結びつき、私たちの生活の質や健康を支える重要な分野です。

理学療法士や作業療法士をはじめとする専門職が、科学的根拠に基づいて個々のニーズに合わせたサポートを提供しています。
また、健康科学は、身体や心の健康を多角的に探求し、社会全体の健康増進に寄与しています。


リハビリや健康科学を学ぶことで、将来の進路が広がり、自分自身や社会に貢献できる力が身につきます。
スポーツや医療、福祉、教育などさまざまな分野で活躍したい方にとって、大きな可能性を秘めた選択肢です。リハビリや健康科学の世界に一歩踏み出してみませんか?


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