Column

2025.09.16

社会科学とは?スポーツと社会の関わりについて

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「スポーツは社会にどんな影響を与えているのか?」
「なぜサッカーW杯は多くの国で国民の一体感を生み出すのか?」
こうした疑問を深く探るのが、“社会科学”という学問分野です。


社会科学は、経済・政治・法律・文化・教育など、人間社会の営みを多角的に分析する学問です。なかでも「スポーツ社会学」は、スポーツを通して社会の構造や価値観、人々の関係性を読み解くアプローチとして注目されています。


この記事では、社会科学の基本的な定義とともに、スポーツと社会がどのように影響し合っているのかをわかりやすく解説します。
あなたの「地域を変えたい」「人と人をつなげたい」という想いを実現するヒントがきっと見つかるはずです。



社会科学とは

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「社会科学」という言葉を聞いたことはあっても、具体的にどんな学問なのかイメージできていない人も多いかもしれません。


社会科学は、私たちが日常で直面するさまざまな社会現象を科学的に分析し、より良い社会づくりに役立てる学問です。
経済学、法学、政治学、社会学など、さまざまな分野を通して「人と人のつながり」や「社会のルール」がどのように生まれ、どう機能しているのかを学びます。


中でも最近注目を集めているのが、「スポーツ」と社会の関係。スポーツという身近なテーマを通して、社会科学の考え方をもっと深く理解してみましょう。


スポーツと社会の関わり

スポーツは単なる娯楽や競技にとどまらず、社会の中でさまざまな役割を果たしています。


たとえば、オリンピックやサッカーW杯などの国際大会では、国民が一丸となって応援する光景が見られますよね。それは、スポーツが「一体感」や「共感」を生み出す力を持っているから。


また、学校の部活動や地域のスポーツクラブでは、世代や立場を超えた人と人とのつながりが生まれています。


競技をする人も、支える人も、応援する人も、スポーツを通じて自然と社会との関わりを体験しているのです。


スポーツと社会の関係が注目される理由

なぜ今、スポーツと社会の関係が注目されているのでしょうか?
その背景には、スポーツが社会課題の解決や地域活性化に大きな力を持っていることがあります。


たとえば

  • 障がい者スポーツの推進は、多様性を尊重する共生社会の実現に貢献
  • スポーツイベントは、地域経済を活性化し、人々の交流を促進
  • 健康づくりのきっかけとして、世代を問わず運動習慣が広がる

このように、スポーツはただ「楽しむ」だけのものではなく、社会をより良くする力を秘めた文化的活動でもあります。



スポーツと社会の関わりとは

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スポーツ社会学は、スポーツを通じて社会の仕組みや人間関係を分析する学問です。

誰もが知るスポーツの裏側には、意外にも多くの社会的な意味やメッセージが込められています。


たとえば、サッカーW杯が開催されると、国全体がひとつになって応援したり、地域のパブリックビューイングで世代を超えた交流が生まれます。こうした現象は、スポーツが「社会的な絆」を生み出す力を持っているからです。


また、スポーツは社会の課題や矛盾を映し出す鏡でもあります。
たとえば、プロスポーツ選手のジェンダー格差や、スポーツと経済の関係、地域スポーツクラブの役割など、さまざまなテーマが研究対象となっています。


最近では、eスポーツの普及による新たなコミュニティ形成や、スポーツを活用した地域活性化プロジェクトなども注目されています。


スポーツ社会学を学ぶことで、スポーツが持つ「人と人をつなぐ力」「社会を変える力」に気づき、自分自身の将来や地域づくりに活かすヒントが得られるはずです。


社会教育との接点

スポーツ社会学を学ぶ中で、「スポーツを通じて人や地域をつなぐ」取り組みに関心を持つ人も多いのではないでしょうか。


こうした「スポーツを通じた社会づくり」に興味を持つ人にとって、注目したいのが「社会教育士」という資格です。


社会教育士は、地域の課題や人と人との関係性を、学びや活動を通じて改善・活性化していく専門職。
スポーツ社会学で学ぶ「スポーツの持つ社会的価値」と、社会教育士の役割は、とても親和性が高いのです。


特に近年は、地域スポーツクラブの運営支援、防災×スポーツイベントの企画、高齢者の運動支援など、「スポーツ×社会教育」の取り組みが増えています。


次は、そんな社会教育士がどんな役割なのかを見ていきましょう。



社会教育士とは

今、地域にはさまざまな課題が生まれています。たとえば、人とのつながりが減ったり、高齢化が進んだり、子どもや若者の居場所が少なかったり。
こうした問題を、地域の人たちと一緒に“学び”を通して解決していく…その中心となる存在が「社会教育士」です。


社会教育士は、地域に暮らす人たちが共に学び、支え合いながら未来を築くための支援を行う専門家です。令和2年度から始まった制度で、地域の中でとても重要な存在として注目されています。


社会教育士の役割

社会教育士は、行政・NPO・企業・学校などさまざまな分野で活躍しています。


たとえば、

  • 防災についてみんなで考えるワークショップ
  • 地域の健康を守るための運動講座
  • 子どもや高齢者が安心して過ごせる居場所づくり

など、地域の課題に合わせて、誰もが参加できる学びの場や活動を企画・運営します。


社会教育士は、地域のニーズを的確に捉え、学びを通じて人と人、組織と組織をつなげる役割を果たしています。


活躍の場

社会教育士は、行政機関、企業、NPO、学校など、さまざまな現場で活躍しています。

列×4行の表

 
行政機関地域住民と協力して、防災活動やまちづくりを進める
NPO住民の声を生かしたプロジェクトやボランティア活動の企画
学校や地域と連携した授業や、課外活動の支援
企業CSR(社会貢献活動)として、地域イベントや学びの場を展開

このように社会教育士は、地域の学びと成長を支える存在として、幅広い分野でその力を発揮しています。



社会科学を学ぶには

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社会科学やスポーツ社会学を学ぶには、どのような進路があるのでしょうか。
大学での学びや資格、将来のキャリアパスについて紹介します。


大学で学べること

大学の健康科学や社会学系の学科では、社会科学の基礎から応用まで幅広く学べます。

たとえば

  • 社会福祉論
  • スポーツ心理学
  • 社会教育学
  • 共生社会論
  • 保健医療福祉行政論

など、実際のフィールドワークや地域プロジェクトに参加する機会も多く、理論と実践の両方をバランスよく身につけられるのが特徴です。


資格取得やキャリアパス

社会教育士の資格は、大学で所定の単位を取得するか、社会教育主事講習を修了することで得られます。


資格取得後は、行政機関の社会教育課や公民館、NPO、企業の地域連携担当などの幅広いフィールドで活躍が可能に。最近では、スポーツイベントの企画運営や、地域スポーツクラブのマネジメント、学校現場での体験学習プログラムのサポートなど、スポーツと社会をつなぐ新しいキャリアも増えています。



まとめ

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社会科学は、私たちが暮らす社会の仕組みや課題を科学的に解き明かし、より良い未来をつくるための学問です。
スポーツ社会学の視点からは、スポーツが人と人をつなぎ、社会を変える力を持っていることが見えてきます。社会教育士のような専門職を目指すことで、地域社会の発展や人々の学びを支える存在になることも可能です。


「スポーツを通じて地域を元気にしたい」「社会の課題を解決したい」 そんな想いを持つあなたに、社会科学の学びはきっと新しい可能性を開いてくれるはずです。


社会科学やスポーツ社会学は、身近な疑問や地域の課題に向き合いながら、自分自身の成長と社会への貢献を両立できる魅力的な分野です。 進路選択の際は、ぜひ「社会とスポーツの関わり」という視点からも考えてみてください。


そして、社会教育士になるためには、大学で必要な科目を履修する方法と、社会教育主事講習を受ける方法の2つがあります。


藍野大学 健康科学科では、社会教育主事養成課程開設に向けた準備を進めています。


地域づくりに関心がある、人と関わる仕事がしたい、社会に貢献する力を身につけたい。そんなあなたの想いを、藍野大学での学びがしっかりと支えます。


ぜひ藍野大学のオープンキャンパスに参加してみてください。学びの内容や実際の授業風景を、直接見て・聞いて・体験してみてください。