- 作業療法学科長 酒井 浩 教授 Hiroshi Sakai
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1991年、神戸大学医療技術短期大学部作業療法学科卒業。2003年、神戸大学大学院医学系研究科博士課程前期修了。京都大学助教、名古屋大学准教授を経て、2017年9月より本学医療保健学部作業療法学科学科長および教授。
脳科学および高次脳機能障害のリハビリテーションをおもな研究テーマとして取り組み、最近では認知症予防のテーマで多施設共同研究も実施。
脳の働きを
スポーツに生かす、
スポーツ脳科学分野に新たな貢献を
作業療法学科・酒井浩学科長の研究チームが進める脳・認知機能研究をサッカースキルの向上に生かす取り組みが、いよいよ始まります。研究パートナーは、地元の女子サッカーチーム「スペランツァ大阪高槻」。スポーツ医療において、身体をメンテナンスすることで個々の選手の能力向上やトレーニング内容の改善をはかることは、一般に行われる手法です。この領域で、脳の働きや認知機能といった作業療法の観点からアプローチすることにより、一人ひとりの選手の脳・認知特性を分析し、スキル向上するとともにチーム全体の強化へと結びつける、これまでにない新たな取り組みです。
病気やケガなどにより、高次脳機能障害などをわずらう患者さんが日常生活の動作を取り戻せるよう、脳の働きを研究し、リハビリテーションに生かす、作業療法学科の学び。それは、身体や精神に障がいが生じた人のためだけでなく、スポーツの分野でも大きく貢献できるものです。同時に、スポーツに関心がある学生との勉強会もスタートしており、学生たちからは「もっと脳の勉強がしたい」と、取り組みへの関心と意欲が伝わってきます。
研究のロードマップとしては、第一段階としてシーズン前に選手たちの脳活動などを測定。シーズン中に収集するデータや各選手の性格や特性などと合わせて分析・考察し、フィードバックすることで、チームとしても新たな展開が期待されます。
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NIRS
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頭部に装着し、前頭葉に向けて光を照射。光の反射を利用して脳活動を測定する(NIRS)