藍野大学

研究紹介 藍野のヒトビト!!

理学療法学科 本田 寛人 講師 Hiroto Honda

日本糖尿病理学療法学会 運営幹事/認定理学療法士(代謝、健康増進・参加)/日本糖尿病療養指導士/介護予防推進リーダー/糖尿病カンバセーション・マップTM ファシリテーター/健康気象アドバイザー
神戸大学卒業。同大学院で修士号(保健学)、京都大学大学院で博士号(人間・環境学)を取得。2010年より公立豊岡病院組合立豊岡病院日高医療センター・リハビリテーション技術科に勤務。糖尿病、肥満など生活習慣病を研究テーマとして取り組む。2017年より藍野大学医療保健学部理学療法学科に。
※高い専門性を有する理学療法士。日本理学療法士協会が認定。

臨床の視点から得た気づきを
研究・教育へ
糖尿病治療における運動習慣の重要性

高校生の時に野球で怪我をした友人が治療のためリハビリに通うことになり、理学療法士という仕事を知ったという本田先生。大学で保健学を学んでいた時に、小児糖尿病サマーキャンプにボランティアとして参加したことがキッカケとなり、糖尿病と向き合う子どもたちの姿を見て糖尿病という病気そのものに興味を持つ。理学療法士として公立病院に勤めながら京都大学で博士号を取得し、糖尿病や肥満といった生活習慣病を研究テーマに、研究者としての道も歩み始める。

そんな本田先生が今年5月に開催された「第62回日本糖尿病学会年次学術集会」において発表した研究内容が、「日本糖尿病学会医療スタッフ優秀演題賞」を受賞。審査員の医師や専門家から高い関心を寄せられた。

小児糖尿病サマーキャンプ 小児糖尿病サマーキャンプ 1型糖尿病患者の小・中学生が対象のサマーキャンプ。学生時代は運営ボランティアとして、以降は医療スタッフとして毎年参加。今年で14年目。子どもたちの成長を見られることにやりがいが。

本田先生が発表した研究内容は、「運動習慣をもつ2型糖尿病患者における動脈硬化指標の季節変動の検討」。糖尿病の患者は、血管が硬くなる動脈硬化が進みやすく、それによって生じる心筋梗塞や脳卒中といったさまざまな合併症にかかるリスクが非常に高い。それを防ぐために、医師や理学療法士の治療方針のもと、食生活や運動習慣などの指導を受けながら生活している。臨床現場において患者の身体の調子、病態が季節によって違うということを実感していた本田先生は、運動習慣がある糖尿病患者とそうでない患者の血液データを検証し、運動の有無と季節変動に相関関係があるかどうかを、さまざまな指標で検証してきた。今回の研究では、「運動していることで体重や血糖値などの代謝関連指標の季節変動(冬季の悪化)が抑制される」、そして、「動脈硬化を反映する指標については運動しているしていないに関係なく、季節による影響がある」という結果であった。運動習慣の維持が季節による病態変化の抑制に効果があることは、運動習慣の重要性を改めて認識するものである。一方で、季節に影響を受ける指標もあるため、一時の検査結果に一喜一憂せず、その特徴を見極めて病気と向き合っていくことが大切である、というメッセージとなった。

現在も、週に1回は「訪問リハビリテーション」として臨床に出ている本田先生。現場で感じることは、テレビやインターネットから得た情報を元に動いたり、問いかけてくる患者が非常に多いこと。患者の考えや問いかけを理解することで、本田先生自身が学ぶこと、自身の研究に結びつくことも多いという。「患者がリアルタイムで何を見て、何を感じて生活しているのかを実際に肌で感じる臨床の視点は、教員として教育や研究に携わる中で、今後も大事にしていきたい。学生の皆さんも、何のため、誰のための研究なのか、その意義を考えて卒業研究等に取り組んでいただきたい。」と本田先生は話す。

第62回日本糖尿病学会年次学術集会 2019年5月23日~25日に仙台で開催された「第62回日本糖尿病学会年次学術集会」

第3回日本糖尿病学会医療スタッフ優秀演題賞 本田先生が発表された演題が「第3回日本糖尿病学会医療スタッフ優秀演題賞」を受賞。記念トロフィーが授与された。

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